「サイバーテック・グローバル・テルアビブ」開催、軍事衝突以降サイバー攻撃が3倍に(イスラエル)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月17日 0時55分
イスラエルのテルアビブで2024年4月8日から10日に国際会議「サイバーテック・グローバル・テルアビブ」が開催された。この会議では、重要インフラ・セキュリティ、ランサムウエア防御、サイバーセキュリティの新技術に関する基調講演、パネルディスカッション、ワークショップが行われた。メインホールで開催された展示会では、さまざまな段階にあるイスラエルの革新的なサイバーセキュリティ新興企業が紹介された。
サイバーテック・グローバル・展示会場(ジェトロ撮影)
イスラエル国家サイバー総局(INCD)のガビー・ポルトノイ総局長は4月9日、サイバー空間における鉄の剣作戦の状況について講演した。ポルトノイ総局長は、2023年10月7日のハマスとの軍事衝突開始以降、サイバー攻撃が3倍に増加していることを明らかにした。また、イランのテヘランで民間企業を装って活動している『ブラック・シャドー』というハッカー集団が、イラン情報省と関連があるとし、イスラエル北部サフェドのジブ病院への組織的攻撃に代表されるように、軍事衝突開始以降、イランとレバノンのイスラム教シーア派政治・武装組織ヒズボラの協力関係が強まっていると指摘した。ポルトノイ総局長は、「サイバー攻撃グループは軍事衝突中はより活発に活動しているが、経済的損害を与える能力は低下している」と述べた。
ポルトノイ INCD総局長の講演風景(ジェトロ撮影)
INCDは10月7日に非常事態モードに移行し、国家レベルでレジリエンシーを強化したと説明した。INCDは、サイバードームという新たなアクティブ・サイバー・ディフェンス・プログラムを導入し、国家レベルでサイバーセキュリティの脆弱性をあぶり出すとしている。
なお、INCDは、イスラエル国防軍、イスラエルのサイバーセキュリティ企業、イスラエルや米国の情報機関なども連携しているという。
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(アンナ・ジュコブ、中溝丘)
(イスラエル)
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