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一部食糧品の無関税ガイドライン発表(ナイジェリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月20日 1時20分

ナイジェリア税関は8月14日、食糧の価格高騰を緩和するための「一部の基本的な食糧に対する無関税政策」の実施ガイドラインを発表した。この政策で、7月15日から12月31日までの間、特定の品目に対して関税と付加価値税(VAT)を免除する。対象となるのは、玄米(HS:1006.20.00.00)、ソルガム(モロコシ、HS:1007.90.00.00)、ミレット(キビ、HS:1008.29.00.00)、メイズ(トウモロコシ、HS:1005.90.00.00)、小麦(HS:1001.19.00.00)、豆(HS:0713.31.90.00)の6品目。玄米の30%、小麦と豆の20%、そのほか3品目の5%の関税と、それぞれのVAT7.5%が全て0%となる。

ナイジェリアでは、6月に食糧インフレ率が40.87%と高騰する中、この政策は連邦政府の食糧安全保障への取り組みの一環として実施し、国民の負担を軽減して、必需品をより手頃な価格で提供することを目的としている。この無関税での輸入を適用する企業の条件は、ナイジェリアで過去5年間にわたって運営され、かつ、過去5年間の年次報告書と財務諸表を提出し、税金や法定給与を支払っていることとなっている。また、この条件で玄米、ソルガム、ミレットを輸入する企業は、少なくとも4年間稼働している日量100トン以上の能力を持つ製粉工場を所有し、さらに十分な農地を持っていることとしている。トウモロコシ、小麦、豆を輸入する企業については、十分な農地を持つ農業企業、または栽培ネットワークを持つ飼料工場・農産物加工企業としている。

さらに、輸入商品の少なくとも75%が認定商品取引所を通じて販売され、全ての取引や保管が記録されることを求めている。企業が輸入許可の下でこれらの義務を果たさなかった場合や、輸入商品を元の形態または加工された形態でナイジェリア国外に輸出する場合、全ての免除が取り消され、適用されるVAT、課徴金、輸入税を支払う必要がある。

連邦政府は、この施策は一時的なもので、長期的には地域の農業や製造業者を保護する戦略が損なわれないように注意を図るとしている。一方で、7月にこの政策を連邦政府が発表した際、アフリカ開発銀行(AfDB)のアキンウミ・アデシナ総裁は、関税の一時停止の措置はナイジェリアの農業部門を「破壊する」可能性があると警告、ナイジェリア農業へのこれまでの投資を台無しにし、ナイジェリアを「輸入依存国家」に変えるリスクがあると懸念を表明している。

(奥貴史)

(ナイジェリア)

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