カタールと米国、イスラエルとハマスの人質解放と停戦の合意を発表(カタール、米国、エジプト、イスラエル、パレスチナ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月16日 15時0分
カタールのムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ首相兼外相は1月15日に記者会見を行い、イスラエルとハマスが人質の解放と停戦で合意したことを発表した。この合意は1月19日に発効する予定。合意には3つの段階があり、第1段階は42日間で、停戦、イスラエル国防軍(IDF)のガザ地区の人口密集地からの撤退、ハマスによる人質の解放とイスラエルによる刑務所に収容しているパレスチナ人の解放、ガザ地区の住民の居住地への帰還、患者や負傷者の治療を受けるための出国の促進が含まれるとしている。また、第1段階では、ガザ地区で大規模な人道援助の安全かつ効果的な搬入と配布の強化、病院・診療所・パン屋の復旧、民間防衛物資や燃料の搬入、戦闘によって家を失った避難民のための避難所物資の搬入も含まれるという。
仲介国のカタール、エジプト、米国は、この合意の3つの段階すべてが両当事者によって完全に履行されるよう支援することを確認し、3つの段階が完全に継続されるよう協力するとしている。
テルアビブの「人質広場」で人質の無事解放を願う市民(ジェトロ撮影)
米国のジョー・バイデン大統領も1月15日に記者会見を行い、「ついにイスラエルとハマスの間で停戦と人質解放の合意が成立したことを発表できる」と述べた。バイデン大統領は、この合意の要素は2024年5月に詳細に説明したものだとし(2024年6月3日記事参照)、第1段階では女性や高齢者、負傷者の人質が解放され、米国人の人質も解放されるという。さらに、第1段階の6週間の間に、イスラエルは戦闘の恒久的な終結である第2段階に移行するために必要な取り決めを交渉し、交渉が続く限り停戦は継続されるという。第2段階が始まると、男性兵士を含む残りの生存している人質の解放と引き換えに、IDFがガザ地区から撤退し、一時停戦を恒久的なものにし、第3段階では殺害された人質の遺体が家族に返還され、ガザ地区での大規模な復興計画が始まるとしている。
イスラエル首相府のX(旧Twitter)によると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は1月15日に米国のドナルド・トランプ次期大統領と電話会談を行い、「何十人もの人質とその家族の苦しみに終止符を打つ手助けをしてくれた」とトランプ氏に感謝し、両者は近いうちにワシントンで会談することに合意したという。ネタニヤフ首相はその後、バイデン大統領とも電話会談を行い、人質解放の進展に尽力したバイデン大統領に感謝の意を表した。
イスラエル首相府のX(旧Twitter)での投稿
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(カタール、米国、エジプト、イスラエル、パレスチナ)
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