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チャンギ空港の新ターミナル、2025年上半期に着工へ(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月10日 9時10分

シンガポールのローレンス・ウォン首相兼財務相は9月6日、チャンギ空港の新ターミナル(第5ターミナル)の建設を2025年上半期に開始すると発表した。政府は、同空港と世界各都市との航空路線を現在の約150都市から、第5ターミナルが完成する予定の2030年半ばまでに200都市以上へと拡大する計画だ。

ウォン首相は「(近隣諸国の)一部が、空港の年間旅客取扱能力1億人以上のメガ空港を開発する計画を発表しており、シンガポールとの差を縮小させている」と指摘した。チャンギ空港の第1~4ターミナルの年間旅客取扱能力は9,000万人だ。第5ターミナルが完成すると、年間旅客取扱能力は5,000万人増え、1億4,000万人となる。同首相は、年間旅客取扱能力の拡大により「コネクティビティーの向上で旅客の利便性を改善するとともに、新たな職を創出できる」と述べた。

チャンギ空港を2024年第2四半期(4~6月)に利用した旅客数は1,650万人で、新型コロナウイルス流行前の2019年同期の98.2%だった。同空港を運営するチャンギ・エアポート・グループ(CAG)は2024年3月、第5ターミナル開発の大型入札を開始していた(2024年5月1日記事参照)。

国際航空ラボの設置で、航空機や乗客増に対応する技術を開発へ

また、シンガポール民間航空庁(CAAS)は同日、国際航空ラボの設置を発表した。同ラボの設立に関し、国際航空イノベーションセンター(ICAI)、シンガポール工科デザイン大学(SUTD)、欧州大手航空機メーカーのエアバス、米国大手航空機メーカーのボーイング、CAG、地場空港運営会社SATS、英国の航空持ち株会社インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)、シンガポール航空(SIA)が、共同プロジェクトに取り組む覚書(MOU)に署名した。同ラボは2年以内に設置する。

ウォン首相は同ラボの設置について、航空当局、空港オペレーター、航空会社、航空機製造会社が一堂に会し協力する、初の試みとなると指摘した。同ラボでは、航空機や乗客、手荷物を効率的に取り扱う技術の開発を共同で行う予定だ。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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