選挙結果への抗議活動は長期化、経済的影響にも懸念(モザンビーク)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月13日 15時40分
モザンビーク大統領選挙の候補者で、選挙不正疑惑の抗議活動を主導するベナンシオ・モンドラーネ氏は11月11日、SNSを通じたライブ演説で新たな抗議活動について発表した。モザンビークでは10月9日に投票が実施された大統領・国会・州議会議員選挙の結果をめぐり、モンドラーネ氏を筆頭とする野党側陣営が、与党に有利な選挙不正が行われたとして、抗議活動を展開している(2024年10月30日記事参照)。
同氏はかねて全4段階の抗議活動を計画していると表明しており、今回発表されたものは第1(10月21日)、第2(10月24、25日)、第3(10月31日~11月7日)段階に続く、第4段階にあたる。同氏は演説で、第4段階の抗議を複数フェーズに分け、第1フェーズは11月13~15日における全国デモを呼びかけた。デモの実施場所は、首都マプト市および国内10カ所の各州都、国境と港を指定したことに加え、トラックドライバーに対してはデモ期間中の活動停止を要請した。新たなフェーズについては、直近のデモ活動終了後に発表すると述べた。モンドラーネ氏は演説で、不正選挙の真実が明らかになるまで抗議活動は終わらないと決意表明しており、鎮静化への道は見えない状況だ。
デモとゼネストを伴う一連の抗議活動は、公共交通機関の運行減少や物流の停滞など、経済的影響を与えている。第3段階(10月31日~11月7日)の抗議活動中には、南アフリカ共和国との主要な陸路国境施設がデモの暴徒化によって損害を受け、一時的に閉鎖を余儀なくされたほか、国境からマプト港へつながる幹線道路がバリケードで封鎖されたことで、車両の往来が阻害された。報道によると、被害地域はマプト港から出荷される南ア産鉱石の輸出ルートとなっている。モザンビークの政策系NGO「公共誠実性センター(CIP)」は、第1~第3段階の抗議活動による経済全体の損失は245億メティカル(約594億円、1メティカル=約2.42円)にのぼると試算した。
(松永篤)
(モザンビーク)
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