韓国、2024年上半期の輸出は好調、通年で過去最高の輸出実績を目指す（韓国）

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韓国の関税庁は7月15日、2024年上半期（1～6月）の輸出入統計（確定値）を発表した。輸出は前年同期比9.0％増の3,347億8,200万ドル、輸入は6.5％減の3,117億2,800万ドル、貿易収支は230億5,400万ドルの黒字となった（添付資料表1、2参照）。半導体、自動車などの主要品目の輸出が6月まで9カ月連続で前年同月比増となり、13カ月連続で貿易黒字を記録した。

輸出を主要品目別でみると、電気・電子製品が前年同期比30.2％増の1,068億4,700万ドルだった。特に、半導体が50.4％増の666億7,600万ドルと大幅に増加した。その理由として、メモリー価格の上昇とサーバーを中心としたアップストリーム（注）の需要拡大などが挙げられる。輸送機器をみると、乗用車は特に米国向けが牽引し、4.1％増となった。船舶は2023年以降好調が続いており、28.1％増の112億5,100万ドルだった。

国・地域別では、米国（過去最高の643億ドル、前年同期比16.8％増）、カナダ（25.5％増）などの北米が伸びたほか、東南アジア（23.0％増）も好調だった。中国（5.4％増）、日本（1.7％増）は1桁増だった。

輸入を主要品目別でみると、家電製品（前年同期比13.2％増）、金（3.1倍）など一部品目は増加したものの、乗用車（27.0％減）、化学品（18.5％減）、燃料（7.0％減）などの品目が減少した。金の大幅増には、金市場の取引額が40％増加したことなどが背景として指摘できる。世界経済の不確実性の高まりから、安全資産としての金が注目されている。

国・地域別では、香港（43.2％増）は、台湾（14.3％）などは増加した。香港は、半導体、金銀および白金が大幅に増加した。一方で、中南米（17.8％減）、EU（12.3％減）、オーストラリア（12.2％）などが減少した。

安徳根（アン・ドックン）産業通商資源部長官は「2024年の上半期は、2021年以来3年ぶりに前年同期比で輸出額の増加、貿易黒字を同時に記録した」と述べた。そのうえで、「2023年に不振だった半導体などのIT輸出と対中国・ASEAN輸出が大きく回復したうえ、引き続き自動車や対米輸出などの好調が続いている。この勢いを持続させて、2024年通年で過去最高の輸出実績を達成するという目標に近づく」と述べた。韓国政府は2024年7月16日に、過去最高の輸出実績達成に向けて政府が総力を挙げて支援すると発表している。

（注）アップストリーム（upstream）とは、IT分野ではネットワークなどで末端側から中心側へ向かう方向を表す。その方向に流れるデータや信号、それらの通信速度を指すほか、中心側の領域や機器などを指すこともある。

（益森有祐実）

（韓国）