サウジアラビアで2025年に第1回オリンピックeスポーツ大会を開催（サウジアラビア、世界）

サウジアラビアと国際オリンピック委員会（IOC）は7月12日、同国で2025年に第1回オリンピックeスポーツ大会（Olympic Esports Games）を開催することを発表した。ここ数年、IOCはジェンダーの平等と若年層の取り込みを目的に同競技への関与を本格化し、試験的にオリンピックeスポーツシリーズ（Olympic Esports Series）を開催するなど、定期開催に向けて準備を進めていた。両者間の契約は12年間で、大会は定期的に開催される。

サウジアラビアの国際オリンピック・パラリンピック委員会の会長を務めるアブドゥルアジーズ・ビン・トゥルキ・アール・ファイサル・スポーツ相は「われわれは2,300万人以上のゲーム愛好家（gamers）を擁し、新しい考え方とパートナーシップで未来を受け入れる若い国である。モハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相の支援の下、既にプロのeスポーツの世界的な拠点（global hub）となっている」とコメントを発表した。

国家改革戦略でeスポーツを振興

サウジアラビアは国家改革戦略「ビジョン2030」の中で、市民の生活の質（Quality of life）の向上に向けて文化事業やエンターテインメントの充実を目指しており、同分野での家計支出の倍増を数値目標として掲げている。目標実現の手段の1つとして、政府はサウジeスポーツ連盟（Saudi Esports Federation）を設立し、eスポーツの振興に取り組んできた。また、国際eスポーツ連盟（IeSF）や世界eスポーツ連盟（GEF）などの国際組織との連携を強化してきた。2023年12月に日本eスポーツ連合（JeSU）とも覚書を締結したばかりだ（2023年12月21日記事参照）。

7月3日から8月25日にかけて、リヤド市内では「eスポーツ・ワールドカップ」が開催中で、世界各国から500チーム以上が参加している（2023年10月25日記事参照）。同大会では21種類のゲームタイトルで競技が開催され、賞金総額は6,000万ドル以上と発表されている。同大会は、前年まで開催していた「Gamers 8」を発展・拡大させたもので今回が初開催となる。

（秋山士郎）

（サウジアラビア、世界）