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山東省青島市の旧空港で「低空経済」関連産業を育成(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月10日 0時45分

中国・山東省でドローン用設備の研究開発、製造、販売を行う山東風向標智航装備は8月29日、同省青島市の旧空港である流亭空港において、初の中大型のマルチミッションUAV(無人航空機)の慣性航法(注1)技術検証試験飛行を実施した(「青島日報」8月29日)。今回の試験飛行に使用したUAVは、同社が独自に開発した中大型垂直離着陸固定翼・マルチローター(注2)UAVに、中国国家重点大学の1つであるハルビン工業大学の航法器械研究所の高偉教授のチームが開発したアンチジャミング(注3)・慣性複合航法システムを搭載している。流亭空港は2021年8月12日、新空港の膠東国際空港の開港に伴い閉鎖されていた(2021年7月28日記事参照)。

青島日報の報道によると、今回の試験飛行では、場所、気象、航空安全警報などのビッグデータが重要な役割を果たした。また、同報道では、流亭空港で試験飛行を行う主な理由は、交通の便利さ、良好な環境、完備された保障システムと支援施設などがあり、中大型UAVの飛行試験に適しているため、との試験飛行担当者のコメントを伝えている。

流亭空港が所在する青島市城陽区政府の発表によると、同区は同空港を基礎とし、低空飛行試験場を切り口として、低空航空機メーカーや関連検査試験機関、低空運営サービスプロバイダーなどの産業を誘致する。また、低空空域資源の供給を最適化し、600メートル以下の低空空域の自主管理権限を積極的に求めるとしている。そのほか、低空経済先行産業園の整備や、低空経済をリードする企業集団の育成も計画している。

また、青島市政府が7月5日に発表した「低空経済の質の高い発展を促進する実施プラン」においても、城陽区低空飛行試験場では、無人航空機の試験飛行、関連検査試験、耐空証明および関連の総合サービスなどのプラットフォームの研究開発を加速すると明記されている。

(注1)航空機などに搭載される装置で、外部から電波による支援を得ることなく、搭載したセンサーのみによって自らの位置や速度を算出する。

(注2)3つ以上のローターを搭載したもの。

(注3)妨害電波を検知し、除去するもの。

(董玥涵)

(中国)

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