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5党による連立政権が発足、優先課題は財政再建(ベルギー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月10日 15時0分

添付資料PDFファイル(225 KB)

ベルギーで2月3日、2024年6月に実施された連邦議会下院・地域議会総選挙の結果を受け(2024年6月14日記事参照)、8カ月の交渉を経て、5党による連立新政権が発足した。選挙で第1党を維持したベルギーからの分離独立を掲げる中道右派の「新フランダース連合」(N-VA、オランダ語系、注)、第2党のフランス語系中道の「改革運動」(MR)と、「キリスト教民主フランダース」(cd&v、中道右派、オランダ語系)、「前進」(Vooruit、中道左派、オランダ語系)、「コミット」(Les Engagés、中道、フランス語系)からなる。MRと同位で第2党のオランダ語系の極右政党「フランダースの利益」(Vlaams Belang)や、アレクサンドル・ド・クロー前首相が所属する「フランダース自由民主」(Open Vld、中道、オランダ語系)、環境政党(「緑」「エコロ」)は参画しなかった。

新首相には、N-VAのバルト・ドゥ・ウェイバー氏が就任する(添付資料表参照)。N-VAは前回選挙でも第1党だったが、連立政権には参加しなかった(2020年10月6日記事参照)。今回、連立交渉を担当し、ベルギー史上初めてオランダ語系の地域独立派政党から首相が誕生する。

連立政権の組閣後に初となる連邦議会で、ドゥ・ウェイバー新首相は、今後数年間の優先課題は財政再建とし、年金と労働市場改革などを挙げた。ベルギーの2024年の財政赤字はGDP比4.6%(暫定)と、EUが定める1.5%水準(2024年2月21日記事参照)を超過している。このほかに、移民政策の見直しや、防衛費の拡大、再生可能エネルギーと原子力からなる新しいエネルギーミックスの模索などの政策も含まれる。

現地報道によると、新政権の政策の特徴は、一般市民への税負担を増やすことなく、社会保障の減額や公的機関の緊縮財政で乗り切ろうとしている点だと報じた。一方、新政府の閣僚15人のうち、女性は4人のみだとして、ジェンダーバランスの欠如に批判の声も上がっているという。

(注)ベルギーでは、政策の傾向に加えて、国内の公用語(フランス語、フラマン語、ドイツ語)別に政党が存在する。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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