世界の石油需要は2025年に前年比1.40％増、2026年に1.36％増、OPEC予測（中東、アフリカ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、世界、米国、中国、インド）

OPEC（注1）は1月15日に、1月版の石油市場報告書「Monthly Oil Market Report」を発表した。同報告書によると、世界の石油需要は2024年に日量1億375万バレルだったが、世界経済の緩やかな成長に伴い、2025年に前年比1.40％増の日量1億520万バレル、2026年に前年比で1.36％増の日量1億663万バレルになるとの予測を発表した。

2025年の石油需要は主要な国・地域で前年から増加する見込みだ。また、2026年も主要国・地域で増加し、特にインドで前年比4.67％、アフリカで2.37％の伸びを示すという。各国・地域の2025年の日量の需要予測は次のとおり（かっこ内は2026年予測値）。

非OECD合計：5,932万バレル（6062万バレル）
OECD合計：4,588万バレル（4,600万バレル）
欧州合計：1,432万バレル（1,437万バレル）
中東合計：892万バレル（906万バレル）
アフリカ合計：457万バレル（468万バレル）
米国：2,052万バレル（2,058万バレル）
中国：1,705万バレル（1,732万バレル）
インド：579万バレル（606万バレル）

2024年はOPECでは減産

同報告書によると、2024年の石油生産は、世界では前年比で日量30万バレル増の日量1億230万バレルだったという。OPECプラス（注2）では減産方針で、2023年と比べて減産した国が多いが、イランでは増産した。また、米国、中国などでは増産となった。

2024年の主要な国・地域などでの日量の石油生産は次のとおり（かっこ内は前年比）。

OPECプラス合計：4,082万バレル（前年比118万バレル減）
OPEC合計：2,659万バレル（44万バレル減）
サウジアラビア：897万バレル（64万バレル減）
イラク：419万バレル（10万バレル減）
イラン：326万バレル（40万バレル増）
アラブ首長国連邦（UAE）：294万バレル（１万バレル減）
クウェート：242万バレル（17万バレル減）
ロシア：917万バレル（41万バレル増）

（OPECプラス以外の主要国・地域）

米国：2,171万バレル（約70万バレル増）
中国：457万バレル（約10万バレル増）
欧州合計：371万バレル（約10万バレル減）

また、OPECプラスは2024年12月5日の第38回閣僚級会合で、現行の減産方針について、2026年12月31日まで1年間延長することで合意している（2024年12月9日記事参照）。

（注1）OPECは、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ、リビア、アラブ首長国連邦（UAE）、アルジェリア、ナイジェリア、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国の12カ国で構成。

（注2）OPECプラスは、OPEC加盟国に加えて、アゼルバイジャン、バーレーン、ブルネイ、ブラジル、カザフスタン、マレーシア、メキシコ、オマーン、ロシア、スーダン、南スーダンで構成。なお、ブラジルはオブザーバー国との位置づけも表明している。

（井澤壌士）

（中東、アフリカ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、世界、米国、中国、インド）