1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

国家安全法律フォーラム開催、一国二制度の堅持と法の支配強調(香港、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月17日 12時0分

香港特別行政区政府の律政司(法務省に相当)は6月8日、国家安全法律フォーラムを開催した。共催機関として、中国中央政府駐香港連絡弁公室(中国政府を代表する機関)、中央政府駐香港国家安全維持公署、駐香港特派員公署(中国外交部の香港事務所)が参加をした。同フォーラムは、香港国家安全維持法(注)の施行と発展、同法と国家安全維持条例の「二重立法・二重法執行メカニズム」による制度保障など、国家安全保障に関する見識の共有を目的に開催された。会場では、政府高官や法律専門家らの基調講演のほかに、金融業界やビジネス界の代表者によるパネルディスカッションや、林定国(ポール・ラム)司法長官と学生たちとの対話セッションが行われた。約1,000人の参加者はこれらを通じ、国家安全保障について理解を深めた。

李家超(ジョン・リー)行政長官は開会で「国家の安全を守ることは香港政府の責務であり、香港社会全体の義務だ」と述べ、3月に香港基本法(憲法に相当)第23条に基づく国家安全維持条例が施行したこと(2024年3月21日記事参照)で「(香港は)安定から繁栄への新たな旅路の重要な節目を迎えた」と強調した。

林定国(ポール・ラム)司法長官は「法の支配の原則に従って制定・施行された法律に対して、各界の信頼を築くことが重要であり、香港の将来の発展にプラスに作用する」と述べ、「律政司は関係各部局と協力し、国家安全に関する法律の教育を推進する」と意欲を表明した。

また、農融中央香港マカオ弁公室兼国務院香港マカオ事務弁公室副主任や、張勇全国人民代表大会常務委員会香港基本法委員会副主任兼立法委員会副主任が基調講演を行った。

農融副主任は基調講演で「中央政府は『一国二制度』を尊重し、配慮を行っている。香港のコモンローを維持し、法の支配の利点を強化し、十分に発揮することを支持している」と強調した。

また「2つの法(香港国家安全維持法と国家安全維持条例)には決して、香港を拘束する意図はないとし、法の支配は香港のブランドであり、香港におけるあらゆるセクターが誇りとする共有財産であり、正当な権利と利益を守るための重要な基礎となっている」との見解を示した(「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」6月10日)。

なお、このフォーラム開催前の6月6日に英国籍2人の非常任裁判官が辞職している(2024年6月17日記事参照)。

(注)2020年5月28日の中国の第13期全国人民代表大会第3回会議で、反体制活動を厳しく取り締まる国家安全維持法を香港へ導入する方針が採択され、同年6月30日に全国人民代表常務委員会で同法が決定された。

(松浦広子)

(香港、中国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください