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第5回米EU貿易技術評議会、初の共同声明見送りも、次回での合意に期待(米国、EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年2月1日 14時30分

米国とEUは1月30日、米EU貿易技術評議会(TTC)の第5回閣僚会議を米国の首都ワシントンで開催した。1月31日の商務省の発表によると、この会合で米国側は、強靭(きょうじん)なサプライチェーンの構築、対外投資メカニズムの活用、輸出管理体制の強化、経済的威圧や非市場的な通商慣行への対抗など、集団的経済安全保障を強化することの重要性を強調した。一方で、5回目で初めて共同声明が採択されなかった。

TTCは、民主的価値に基づいて新興技術や貿易面での課題に対応する新たな協力の枠組みとして、2021年の米EU首脳会談(2021年6月16日記事参照)で合意したもので、直近では第4回閣僚会議をスウェーデンで開催していた(2023年6月6日記事参照)。前回に引き続き、米国からはアントニー・ブリンケン国務長官、ジーナ・レモンド商務長官、キャサリン・タイ米国通商代表部(USTR)代表、EUからはバルディス・ドムブロフスキス執行副委員長(経済総括・通商担当)、マルグレーテ・ベスタエアー執行副委員長(欧州デジタル化対応総括・競争政策担当)らが参加した。

今回、共同声明は発表されなかったものの、ベスタエアー執行副委員長によると、両者は次回会合で、特定の人工知能(AI)の規制に関するロードマップや、2023年に発足した半導体サプライチェーンに関する管理協定の延長合意を視野に入れているという(通商専門誌「インサイドUSトレード」1月30日)。AIや半導体サプライチェーンに関しては、TTCを通じて継続的に協議されてきた。同氏はまた、中国の電気自動車(EV)に対する補助金についても、米国とEUで議論したと明かしている(政治専門誌「ポリティコ」1月31日)。

第5回TTCの前日の1月29日には、タイ代表とドムブロフスキス執行副委員長が会談した。USTRの発表によると、両者は「鉄鋼・アルミニウム・グローバルアレンジメント」や米国とEUの重要鉱物協定について協議した。グローバルアレンジメントは、世界の鉄鋼・アルミを巡る炭素排出と過剰生産問題への対処を取り決めるもので、2023年10月末が交渉期限となっていたが、合意できずに2カ月間の交渉延長が表明されていた。重要鉱物協定は、EUで採掘または加工された鉱物が米国のインフレ削減法(IRA)のクリーンビークル(注1)税額控除のバッテリー調達価格要件を満たせるようにすることが目的とされるが、こちらについても具体的な進展は発表されなかった(注2)。「ポリティコ」(1月30日)によると、ドムブロフスキス執行副委員長は「米国側からもっと柔軟な姿勢を見せてもらいたかった」と述べている。

「インサイドUSトレード」(1月30日)によると、次回のTTCは4月にベルギーで予定されており(注3)、米国・EU双方にとって選挙前最後のTTCになる見込みだ。EU側は6月に欧州議会選挙があり、10月末に現在の欧州委員会、11月末には欧州理事会(EU首脳会議)の常任議長がそれぞれ任期を終える(2023年12月27日記事参照)。米国では11月に大統領選挙と連邦議会選挙が行われる(2023年12月27日記事参照)。大きな選挙前に具体的な合意がなされるかが注目される。

(注1)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の総称。

(注2)過去の交渉経緯は2023年10月24日記事も参照。

(注3)商務省と欧州委員会の発表では、次回のTTCは春になるとの記載にとどまっている。

(赤平大寿)

(米国、EU)

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