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サムスン電子のチェンナイ工場で労働争議、長期化も(インド、韓国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月26日 0時0分

韓国サムスン電子の現地法人サムスン・インディアのチェンナイ工場で、労働争議が発生している。現地報道などによると、2024年9月9日に一部の労働者が賃上げなどを要求してストライキに入り、会社側は裁判所に対しストの中止命令を求めて提訴した。裁判所は和解のための交渉を促し、争議は長期化しそうだ。

各メディアの報道をまとめると、ストに参加する労働者は全従業員約2,000人のうち約1,000~1,500人とされ、要求事項は、(1)今後3年間で、平均賃金(月給)を2万5,000ルピーから1.4倍の3万5,000ルピー(約5万9,500円、1ルピー=約1.7円)への増額、(2)1日8時間の勤務以外の残業の削減、(3)新たにインド労働組合センター(Centre of Indian Trade Unions:CITU)系の労働組合の認定、の3点だ。争議を起こしている労働者は、全国に組織を展開する極左系CITUに所属し、サムスン・インディアのチェンナイ工場内に2024年7月に組合を結成したばかりだ。サムスン側は労働組合として認めておらず、政府にも登録されていないという。

インドではこれから、家電などの消費財の販売が年間で最も需要が高まるとされる祭礼シーズンを迎える。同社は、非組合員だけで操業を続けている。

同工場は、タミル・ナドゥ州の州都チェンナイ市内から車で約1時間のスリペルムブドゥールにあり、液晶テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの製造しており、一部輸出も手掛けている。タミル・ナドゥ州には同社のみならず、現代自動車、ロッテ、ポスコなど多くの韓国系企業が進出している。また、サムスン・インディア周辺には日系企業も多数進出していることから、今後の行方が注目される。

(白石薫)

(インド、韓国)

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