セルビア政府、日本企業の進出に強い期待、ジェトロがミッション派遣（セルビア、日本）

ジェトロは10月15から18日にかけて、ブルガリアとセルビアにビジネスミッションを派遣した（2024年8月23日記事参照）。このミッションでは、良好な投資環境などを背景にプレゼンスが高まるブルガリアとセルビアのビジネス環境への理解を深めることを目的に、日本企業70社・92人がソフィア、ベオグラード、ノビサドを訪問し、現地企業の視察やビジネスフォーラムに参加した。セルビアを訪問する日本企業のミッション団としては、過去最大規模になる（ブルガリアへのミッション派遣に関する記事は2024年10月30日記事参照）。

セルビアでは17日、ベオグラードで、セルビア政府とセルビア商工会議所、ジェトロの主催で、アレクサンダル・ブチッチ大統領とのラウンドテーブルと、日本セルビア・ビジネスフォーラムが開催された。ラウンドテーブルにはブチッチ大統領に加え、主要閣僚ら11人が参加し、ミッションに参加した日本企業が自社の事業や技術などについてプレゼンテーションを行った。ブチッチ大統領は「日本企業のさらなる進出により、セルビアは全ての目標を達成し、全ての夢を実現することができる」とコメントした上で、日本との連携が重要と述べ、日本からセルビアへのさらなる訪問を呼び掛けた。この場でブチッチ大統領は、エアセルビアによるベオグラード～東京間の直行便を6カ月以内に就航させたいとの意向を表明した。

ブチッチ大統領とのラウンドテーブル（ジェトロ撮影）

ビジネスフォーラムでは、ミロシュ・ブチェビッチ首相も出席して、セルビア開発庁（RAS）が同国の投資環境について説明した。人件費などの安価な運営コストと質の高い労働力などが同国の魅力として挙げた。パネルディスカッションには日本企業の代表者らも登壇したほか、両国企業のネットワーキングや商談会も行われた。

セルビア開発庁によるプレゼンテーション（ジェトロ撮影）

同日には、現地テック企業のコムトレードを訪問して社内を視察し、多様な業種の顧客にシステムソリューションを提供する同社の事業概要について説明を受けた。

ミッション最終日の18日には、セルビア北部にある第2の都市ノビサドを訪問した。ニデックエレクトリックモーター・セルビアを視察後、ノビサド大学内に設置され、現地テック企業やスタートアップを支援する「サイエンス＆テクノロジーパーク・ノビサド」を訪問した。同パークのメンバー企業などがピッチを行ったほか、アドリアナ・メサロビッチ経済相がスピーチを行った。

メサロビッチ経済相のスピーチ（ジェトロ撮影）

メサロビッチ経済相は「セルビアに進出している多くの日本企業がセルビアの経済発展に直接的に影響していることを心よりうれしく思う」「進出が進んでいる自動車産業以外の日本企業の進出も、セルビア政府は心より支援する」と述べ、日本企業のセルビアへのさらなる投資への期待を示した。

（近藤慶太郎）

（セルビア、日本）