中国中部地域4省、2024年1～9月の経済指標を発表（中国）

中国の中部地域4省（湖北省、湖南省、河南省、江西省）の各統計局は、2024年1～9月の主要経済指標を発表した（注1）。各省の域内総生産（GRP）は、湖北省が前年同期比5.7％増の4兆1,655億元（約87兆4,755億元、1元＝約21円）、河南省が5.0％増の4兆7,882億元、江西省が4.7％増の2兆4,150億元、湖南省が4.5％増の3兆7,899億元となった｡4省の中では湖北省が最も高い成長率となり、湖北省および河南省が中国全体の成長率（4.8％増）を上回った。

湖北省の一定規模以上の工業企業（注2）による工業生産増加額は、前年同期比8.1％増となり､中国全体の伸び率を2.3ポイント上回った｡ハイテク製造業が25.1％増と2桁の伸びとなり、なかでもリチウムイオン電池（70.9％増）、スマートフォン（53.8％増）、新エネルギー車（39.8％増）、電子部品（24.4％増）、タブレットパソコン（12.8％増）などが増加した。その他、固定資産投資（6.0％増）、社会消費品小売総額（5.1％増）など、いずれも中国全体を上回る伸びとなった。

河南省の一定規模以上の工業企業による工業生産増加額は前年同期比7.7％増となった。工業40分野のうち31分野が増加し、中でも自動車産業（29.9％増）や電子情報産業（17.8％増）などが高い伸び率を見せた。固定資産投資が6.7％増となった一方、不動産開発投資は9.1％減と大幅に減少した。

江西省の一定規模以上の工業企業による工業生産増加額は前年同期比8.5％増となり、4省の中で最も高い増加率になった。内訳として、製造業（8.9％増）、電気・熱・ガス・水道業（6.8％増）がそれぞれ増加した一方、豊富な鉱物資源を有する同省の重要産業である鉱業は1.2％減少した。また、固定資産投資は4.3％増となった。

湖南省の一定規模以上の工業企業による工業生産増加額は前年同期比7.0％増となり、電子情報製造業や汎用機器製造業などの産業が堅調な伸びを見せた。また、中国各省で行われている「設備更新および消費財買い替え促進」（ビジネス短信最新動向参照）によるグリーン購入ニーズが高まっており、法人による省エネ家電製品および新エネルギー車の売上額はそれぞれ14.6％増、61％増となっている。その他、固定資産投資は2.3％増となった。

中部地域4省においては、工業生産は各省ともに前年同期比7～8％の伸びを見せた。個人消費についても、社会消費品売上金額が5％以上の増加となる堅調な成長率を維持している。他方、不動産開発投資は、湖北省、河南省、江西省で前年同期比減が続いている（湖南省は発表なし）。

（注1）湖北省は10月22日、湖南省は10月21日、河南省は10月20日、江西省は10月22日に発表。

（注2）その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

（西島和希）

（中国）