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組閣に向けた交渉続く(南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月28日 16時10分

南アフリカ共和国では、6月19日のシリル・ラマポーザ大統領就任式(2024年6月25日記事参照)から1週間が経過した今も、新政権発足に向け、アフリカ民族会議(ANC)と各党との交渉が続いている。国民統一政府(GNU)樹立に向け、特に民主同盟(DA)との間で閣僚人数の配分や、ポストの割り当てについて、協議が続いているもようだ。

南ア憲法の規定では、選挙後の第1回議会招集と国民会議長、大統領などの選出、その後の大統領就任式までの日数が定められているが、同就任式後の閣僚指名(組閣)については定めがない。ただ、前回2019年総選挙の際は、大統領就任式から4日後に組閣発表が行われており、今回、GNU樹立という特殊事情に鑑みるにしても、「交渉が難航しているのではないか」などの憶測も広がりつつある。

6月14日の第1回議会招集直前に発表されたGNU樹立構想(2024年6月17日記事参照)は各方面から好感され、市場では新政権の経済運営に対する期待から、南ア通貨ランドは1年ぶりに一時1ドル=17ランド台にまで強含みの展開もみられたが、今週に入って値を下げ、27日現在では1ドル=18.5ランド付近にまで下落している。大統領就任式から1週間強が経過し、組閣に関する情報が乏しいこともあって、GNU樹立のみならず、その後の政権運営を不安視する報道も出始めている。

当地の政治情勢調査会社の専門家や各種報道によると、DAが閣僚人数の配分に加え、主要な経済関係閣僚ポストを要求していることで、交渉が難航しているとの見方がある。加えて、交渉が細部に及ぶに連れ、ANC内でそもそもDAとのGNU樹立合意に根強い反対意見がくすぶっていることや、ANCの支持母体の南ア労働組合連合(COSATU)や南ア共産党(SACP)との関係から、DAのリベラルな経済政策に完全にかじを切れないこと、DAに経済政策を主導されかねないことへの懸念なども指摘されている。今週末6月28日までに閣僚指名ができない場合、GNU樹立に向けて高まった期待が反転しかねないとの指摘もあり、ここ数日の動きが注視される。

(的場真太郎)

(南アフリカ共和国)

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