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ケニア議会が副大統領を弾劾、内政は混迷(ケニア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月31日 1時15分

ケニア上院議会は10月17日、リガティ・ガチャグア副大統領の弾劾にかかる動議を行った。10月8日の下院議会の弾劾の決議を受けたもので、上院議会もガチャグア副大統領の弾劾を支持した。動議では、重大な憲法違反や民族的憎悪の扇動など11の罪状について投票が行われ、うち5つの罪状が有罪とされた。

ガチャグア氏はすべての告発について否定しており、裁判所に弾劾手続きの無効を訴え出た。議会は副大統領の弾劾決議の後、18日に後任の副大統領として、キトゥレ・キンディキ内務長官を指名する決議を行い、速やかに承認したものの、高等裁判所がこれを一時的に差し止めた。今後、ガチャグア氏の去就は裁判所の判断に委ねられることとなった。

ウィリアム・ルト大統領とガチャグア副大統領は、ランニング・メイトとして2022年の大統領選挙を共に戦った仲だが、2024年6月末の増税案に反対する大規模な抗議デモの混乱(2024年6月28日記事参照)以降、特に両者の間の溝が広がったとされる。ガチャグア氏は最大民族のキクユ族の出身で、大統領選の際には、大票田とされるケニア山一帯の票を取りまとめる役割を果たした。ルト大統領により近いとされる後任候補のキンディキ内務長官もケニア山の出身だが、キクユ族ではないことから、最終的にガチャグア氏が副大統領の座を勝ち取ったとされる。今回のガチャグア副大統領の弾劾はキクユ族の怒りを買ったとされ、2027年の次期大統領選に向けて、ルト大統領は政治的に大きな賭けを行ったかたちとなった。

(佐藤丈治)

(ケニア)

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