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COP29閉幕でスイス、新たな気候目標を2025年春に提出予定(スイス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月28日 13時40分

スイス連邦環境局(FOEN)は11月24日、アゼルバイジャン・バクーでの国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)の閉幕を受けて、メディア向けのコミュニケ(フランス語)を発表した。同コミュニケでは、各国が2035年からの年間3,000億ドルの気候変動対策資金目標について合意したことや、国外で達成された排出削減を認める市場メカニズムに関する規則の最終決定を伝えるとともに、スイスは、より多くの国が気候変動対策資金に貢献し、気候対策への投資を強化できる結果を歓迎するとした。また、スイスは同時に、達成された排出量削減の二重計上を防止し、排出量削減のための効果的な市場を確立する規則の制定に取り組んできたとした。

COP29は、2035年までに各国が実施する新しい気候目標の準備を目的としており、スイスはこれらの目標が、COP28の際に出された具体的な勧告である再生可能エネルギーとエネルギー効率の向上と、2050年までの化石燃料廃止を、継承するものとなるよう尽力するとも指摘。しかし、各国は実施を支援するための具体的な措置について合意できず、スイスは、全ての国が1.5度目標(注)を達成可能な範囲に保つ気候目標を提出するよう、引き続き取り組むとした。なお、スイスは2025年春に自国の気候目標を提出の予定だ。

COP29でスイス代表団を率いたフェリックス・ベルトリ主席交渉官(環境担当大使)は、11月24日のスイス公共放送協会・ドイツ語放送(SRF)のインタビューで会議の結果とスイスの立場についてコメントし、2035年までの新たな財政支援目標の策定に満足の意を表したが、新しい気候目標に関するコンセンサスを形成できなかったことを残念に思うとしながら、各国が2025年までに1.5度目標に沿った新たな野心的な気候目標を採択すべきだと指摘した。

他方、アルベルト・レシュティ環境・運輸・エネルギー・通信相(連邦参事会を構成する7人の閣僚の1人)は、COP29閉幕前の11月22日のSRFのインタビューで、交渉段階で特定の目標や数字について話すことはできないとし、さらに開発途上国が期待する1兆3,000億スイス・フラン(約226兆2,000億円、CHF、1CHF=約174円)は、スイスの開発援助が3倍になることを意味し、合理的な限度を超えているとしていた。さらに、スイスは既に気候保護に年間7億ドルの貢献をしており、国内の社会保障や教育へのニーズなど国の予算制約を考慮すると、財政的コミットメントは持続可能でなければならないと強調した。国際的な気候変動議論における橋渡し役としてのスイスの役割を強調し、自国が先進国と開発途上国の双方を含む多国籍グループの議長を務めてきており、この立場により、スイスは双方の利益を効果的に擁護できるとも述べた。

(注)パリ協定で示した目標。産業革命前と比べて、世界の平均気温の上昇を2度以下に、できる限り1.5度に抑えることを目指す。

(田中晋、パブロ・ダス)

(スイス)

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