国家AI産業総合標準化システム構築のガイドライン発表（中国）

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中国の工業情報化部と共産党中央ネットワーク安全情報化委員会弁公室（国家インターネット情報弁公室）、国家発展改革委員会、国家標準化管理委員会の4部門は7月2日、「国家人工知能（AI）産業総合標準化システム構築ガイドライン」を発表した。

同ガイドラインは「国家標準化発展綱要」（注1）や「グローバルAIガバナンスイニシアチブ」（注2）を踏まえ、AI標準化の体系的な計画をさらに強化し、AIを活用した新型工業化の構築をより良く促進するため策定したものとしている。

ガイドラインでは、中国のAI産業は近年、技術革新、製品開発、産業への応用などの分野で急速な発展を遂げ、巨大な市場を形成しているとしており、大規模言語モデル（LLM）に代表される新技術の高度化に伴い、AI産業は技術革新のブレークスルー、産業への応用の発展、国際的な連携などの新たな特徴があり、AI産業の標準システムの整備が必要となっていることを示した。

また、ガイドラインでは、2026年までに国家標準・業界標準を50項目以上制定し、産業の質の高い発展をリードする標準システムの形成を加速させるとしている。さらに、1,000社以上の企業に同標準を広報・普及し、20項目以上の関連国際標準の制定に参与するとしている。

このほか、ガイドラインでは、AI標準システムの主な構成要素として次の7項目を掲げた（添付資料表参照）。

1. 基礎的で共通性のある標準
2. 基礎的でサポートとなる標準
3. コア技術に関する標準
4. スマート製品・サービスに関する標準
5. 新型工業化をサポートする標準
6. 産業応用に関する標準
7. セキュリティーガバナンスに関する標準

李強首相は7月4日、上海市で開催された2024 世界AI大会・AI世界ガバナンスハイレベル会議（WAIC、注3）に出席し、AIの発展には各国が深く研究し、コンセンサスを形成し、ともに機会をつかみ、課題をともに克服していく必要があるとした。また、中国はAIが世界の発展を推進し、人類の利益を増進することで、より良いスマート化された未来に向かうよう各国と協力したいと強調した。

同会議では「AIグローバルガバナンス上海宣言」も発表され、AIの発展の促進、セキュリティーの維持、ガバナンスシステムの構築などを提唱した。

（注1）中国共産党中央委員会と国務院が2021年10月10日に発表したもの。同綱要の詳細については、ジェトロの調査レポート「国家標準化発展綱要およびデータ管理に係る標準整備の動向（前編）」「国家標準化発展綱要およびデータ管理に係る標準整備の動向（後編）」を参照。

（注2）習近平国家主席が2023年10月18日、第3回「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラム開幕式の基調演説で発表したイニシアチブ（2023年10月25日記事参照）。

（注3）中国政府が2018 年から上海市で毎年開催しているAI関連製品の展示会・会議イベント（2023年の模様は2023年7月14日記事参照）。

（蔣春霞）

（中国）