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第2四半期のGDP成長率、前年同期比3.3%、2024年通年の見通しは2.5~3.5%に据え置き(香港)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月26日 1時0分

香港特別行政区政府は8月16日、2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率の確定値を前年同期比3.3%と発表した。7月31日に発表した速報値からの修正はなかった(2024年8月9日記事参照)。また、2月28日に発表した2024年通年の実質GDP成長率見通し(2.5~3.5%)も据え置きとした(2024年3月7日記事参照)。なお、2024年第2四半期の需要項目別のGDP実質成長率は、香港政府が公表した「Press release」に詳細が示されている。

香港政府経済顧問の梁永勝氏は、2024年通年の実質GDP成長率見通しについて「年内は経済成長が続くだろうが、地政学的な緊張や金利見通しなどが引き続き不確実性をもたらす可能性がある。貿易摩擦のリスクはあるものの、外需が持ちこたえれば、財輸出はプラスを維持するだろう。域内経済の継続的な成長が固定資産投資を下支えするが、地政学的緊張や金利の不確実性が景況感や資産市場を冷え込ませる可能性がある」との見解を述べた。また、同氏は内需に関して「雇用者の所得増加と中国中央政府による消費活性化策が個人消費とインバウンド観光を押し上げるが、来港客と香港居住者の消費パターンの変化(注)と相対的な通貨の香港ドル高が引き続き課題となるだろう」との見方を示した。

香港浸会大学の会計、経済、金融学科の麥萃才副教授は「第2四半期の成長が第1四半期(1~3月)よりも力強かったことを踏まえると、香港政府の通年GDP予測は現実的な数値だ。香港の主要産業(金融、貿易・物流、観光、士業サービス)と関連性の強い金融セクターが改善しつつある。特に大きな経済成長がなくとも、通常の状況では急激な落ち込みは生じないだろう」との見方を示した(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙8月17日)。

(注)中国本土からの来港者の消費パターンは、ショッピングなどのモノ消費から、街歩きやハイキングなどのコト消費に変化しつつあり、宿泊地も香港より安く近接した深セン市に変わりつつある。また、香港居住者は買い物目的で中国本土を訪れて消費する「北上消費」が増えている。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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