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AMRO、2024年のASEAN+3の経済成長予測を下方修正(シンガポール、中国、香港、韓国、ASEAN、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月4日 15時0分

シンガポールにある国際機関「ASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)」は10月3日、ASEAN+3(中国・香港、日本、韓国)の実質GDP成長率(経済成長率)の予測を発表し(AMROプレスリリース)、2024年は前年比4.2%と、7月に発表した前回予測(4.4%)から下方修正した(2024年7月18日記事参照)。

ASEAN+3地域全体の2024年の経済成長率予測値を引き下げた理由について、AMROのチーフエコノミストのコー・ホーイー氏はプレスブリーフィングで「主に中国とベトナムによる」とした上で、「中国については比較的に楽観的だった。(中略)不動産セクターが年内に底を打つとみていたが、(中略)来年にずれ込む」と説明し、中国の見通しを5.3%から5.0%に引き下げた。ベトナムについては、台風11号(国際名:ヤギ)による被害に言及し、経済成長率の予測値を6.3%から6.2%に引き下げた。

2025年のASEAN+3地域全体の経済成長率予測値は4.4%と、前回(4.3%)から上方修正した。国・地域別では、中国(前回:4.9%→今回:5.1%)、台風被害からの復興が見込まれるベトナム(6.5%→6.6%)、タイ(3.0%→3.3%)の予測値を引き上げた。タイについては、2024年の予測値(2.8%)も前回(2.7%)から引き上げた。AMROのプリンシパルエコノミストのウン・アレン氏はプレスブリーフィングでタイの経済成長率の予測値を引き上げた理由について、消費刺激策としてのデジタルウォレット政策の影響を盛り込んだと説明した。

見通しに対するリスクに変化

AMROは報告書の中で、予測を下回る米国の就業者数や、中国の成長鈍化、世界的な金融市場の混乱、米国大統領選挙による勢力図の変化を挙げ、地域のリスク状況が前回予測時点から変化していると指摘。その上で、2024年から2025年にかけてのベースライン予測に影響を与え得る主なリスクとして、(1)米国と欧州の急激な成長減速、(2)中国の経済成長の鈍化、(3)金融市場のボラタリティーの急上昇、(4)世界的な一次産品価格と輸送費の急騰、(5)米国大統領選挙後の積極的な保護主義政策を挙げた。

(朝倉啓介)

(シンガポール、中国、香港、韓国、ASEAN、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、日本)

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