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3年間の最低賃金協定に調印、2025年に9%引き上げ(ハンガリー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月5日 0時20分

ハンガリー政府は11月25日、政府、企業(使用者)側代表、被雇用者側代表の3者で構成する「常設協議フォーラム(VFK)」の各代表が3年間の最低賃金引き上げに関する協定に署名したと発表した(プレスリリース、ハンガリー語)。この合意により、ハンガリーの月額最低賃金は、現行の26万6,800フォリント(約10万1,384円、1フォリント=約0.38円)から、2025年に9%増の29万800フォリント、2026年に前年比13%増の32万8,600フォリント、2027年に同14%増の37万4,600フォリントに引き上げられる。熟練労働者(高校卒業以上の資格者)の最低賃金も現行の32万6,000フォリントから、2025年に7%増の34万8,800フォリントになるが、インフレと生産性に基づいて将来調整される。

最低賃金協定の実施を確実にするため、政府は最低賃金で労働者を雇用する雇用主を支援している。雇用主は、最低賃金の引き上げに伴って増加した社会貢献税(注1)を「遅延」方式で納付することになる。つまり、雇用主は、2024年9月1日から11月15日までのいずれかの時点での基本給が2025年の最低賃金29万800フォリント以下の従業員の数に応じて、2025~2027年には前年の税率で支払うことになる。

同協定の調印式で、オルバーン・ビクトル首相は、賃金協定は2025年が平和の年となり、経済発展が見込まれるという楽観的なシナリオに基づいていると強調した。そのため、協定には今後3年間の主要経済指標のインフレ率、GDP成長率、平均賃金上昇率(最低賃金の引き上げの根拠となったもの)が一定水準から乖離した場合、必要に応じて再交渉できる条項を盛り込んでいる。また、同首相は企業経営者、利害関係団体、労働者に対し、経済成長に積極的に貢献するよう求めた。

雇用者団体代表のペルルシ・ラースロー氏は、直近2年間の困難な経済状況を踏まえ、この協定を「非常に野心的なもの」と評し、雇用者だけでなく、労働者や政府にもこの計画を実現する任務があると指摘した。さらに、労働者は積極的に研修に参加し、新技術を身につける必要があり、政府は全ての規模の企業を支援することが求められると述べた。

労働組合同盟のメーサーロッシュ・メリンダ会長は、2016年に始まった賃金引き上げの動きが継続していることを歓迎すると同時に、労働協定がカバーする職種の拡大や部門別最低賃金制度の導入を求めた。

全国労働者評議会協会のパルコビッチ・イムレ会長は11月25日の現地メディアのインタビューで、ハンガリーの最低賃金は新たな3年賃金協定の下でも依然としてEU最低水準にあると指摘した。

政府の目標は、2027年までに最低賃金が総平均賃金(注2)の50%に達することだ。現在、労働者470万人のうち21万人が最低賃金となっている。

(注1)社会貢献税は、社会保険の雇用主負担分相当を税として納付する制度。従業員の給与やその他の報酬総額の一定割合を雇用主が納税する。

(注2)ハンガリー中央統計局の最新の数字によると、9月の総平均賃金は62万7,400フォリント。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー)

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