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チリ統一地方選挙、野党が躍進も与党は大敗を回避(チリ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月1日 0時55分

添付資料PDFファイル(190 KB)

チリでは10月26日から27日にかけて統一地方選挙が行われた。チリ選挙管理庁(SERVEL)によると、投票率は84.92%だった。2023年1月に義務投票制が再導入(2023年1月16日記事参照)されて以降、初めて実施された選挙となったが、歴代最高の投票率を記録した。

新聞各紙では、野党の中道右派連合が躍進した一方、与党の中道左派・左派連合も大敗は回避したとの論調が多かった。345のポストで行われた区長選挙では、中道左派・左派連合の当選者は約40人減少して111人となり(添付資料図参照)、首都の中心となるサンティアゴ区で、共産党の現職区長が中道右派連合の候補者に敗北したことが象徴的に取り上げられた。一方で、122人が当選した中道右派についても、直近20年以上優勢を保っていた区において、中道右派連合の候補者が落選するなどしている。ほかに、無所属103人などがいる。

ガブリエル・ボリッチ大統領は選挙結果を受けて、高い投票率を評価するとともに、与野党どちらにも偏らず、どの陣営も圧倒的な勝利はなかったとし、政治的な思想を超えた団結を呼びかけた。

知事選挙では、16州のうち11州において40%以上の得票率を獲得した候補者がおらず、それらの州を対象とした決選投票が11月24日に実施される予定だ。サンティアゴ首都州では、与党の支持を受ける無所属で現職のクラウディオ・オレゴ氏と、中道右派連合のフランシスコ・オレゴ氏が決選投票に臨む。

今回の統一地方選挙は、2025年に控える大統領選挙の前哨戦としても注目される。現地紙ラ・テルセラ(10月28日付)は、今回の選挙結果を通じて、大統領選挙に向け右派勢力が有利な立場にいるようだが、特定の勢力が主導権を握るのではなく、政治的な再均衡に向かって進んでいるように見えると報じている。

(大塚優希)

(チリ)

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