イランのアラーグチー外相、サウジアラビアとカタールを訪問(イラン、サウジアラビア、カタール)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月11日 15時50分
イランのアッバース・アラーグチー外相は10月9日、サウジアラビアのリヤドを訪問した。
今回の訪問で同外相は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相、ファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード外相と会談した。ムハンマド皇太子との会談後、イランの外務報道官がSNSに投稿した内容では「両氏は、2国間関係は引き続き良好な関係にあるが、今後もさらに両国関係を推進する必要性を確認するとともに、地域情勢については、ガザとレバノンでの戦争を阻止するための地域的、国際的な協力の重要性が強調された」としている。アラーグチー外相も9日夜、自身のSNSに「ムハンマド皇太子と、共通の懸念事項に対する非常に重要な議論を行った」と、会談の写真とともに投稿した〔10月9日付イスラーム共和国通信(IRNA)、10月10日付IRNA〕。
ムハンマド皇太子との会談前に、同外相はファイサル外相とも会談を行った。会談で同外相は、イランの新政権は地域の安全、安定、福祉を強化することを目指して近隣諸国との関係拡大政策を継続していると強調。5月にヘリコプター事故で死去したイランのイブラーヒーム・ライーシー大統領の政権下で両国間が合意した協定を、実施する必要性を強調した(2023年3月13日記事、2024年5月21日記事参照)。
また、ムハンマド皇太子との会談と同様、同会談では、ガザとレバノンを中心とした地域の現状についても焦点が当てられ、アラーグチー外相は「地域での緊張の高まりと全面的な紛争の勃発を防ぐためには、イスラエルのガザとレバノンへの軍事攻撃を即時停止する必要がある」と述べ、地域諸国すべてに対し、政治的能力を駆使して、ガザとレバノンにおける罪のない人々の殺害とインフラの破壊を止めるよう呼びかけた。
これに対しファイサル外相は、サウジアラビアは2国間関係を強化し続ける決意であり、双方継続的に協力し、調整していくことの重要性を強調、両国は地域の安全と安定を維持するという共通の目標を持っており、その目標達成のために協力する用意があると述べた(10月9日付IRNA)。
サウジアラビア訪問後、同外相は9日夜には、カタールの首都ドーハを訪問。10日にカタールのムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ首相兼外相と、2国間関係とガザ、レバノンにおける戦闘などについて会談を行った(10月10日付IRNA)。
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(鈴木隆之)
(イラン、サウジアラビア、カタール)
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