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デンマークの製薬大手ノボ・ノルディスク、米ノースカロライナ州で41億ドル投資を発表(米国、デンマーク)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月1日 0時15分

米国ノースカロライナ州経済開発機構(EDPNC)は6月24日、デンマークの製薬大手ノボ・ノルディスクが41億ドルを投じて、同州ジョンストン郡クレイトンに2つ目の充填(じゅうてん)・包装などの最終工程施設を建設すると発表した。

糖尿病の治療分野で100年以上の歴史を持つノボ・ノルディスクは1993年、クレイトンに米国初の拠点を設けた(「ビジネス・ジャーナル」6月25日)。1996年には同社の戦略上重要な製造拠点の1つとなる糖尿病治療薬の製剤・充填・包装施設の操業を開始し、これまでにノースカロライナ州内で数十億ドルを投じて、2つの新施設設立を含む8回の事業拡大を行ってきた。6月時点では、クレイトンで製剤・充填・包装施設とGLP-1製剤、インスリン製剤の原薬製造施設を稼働しているほか、同州ダーラムで2型糖尿病経口薬の錠剤化・包装施設も稼働している。同社が開発・製造するGLP-1受容体作動薬「セマグルチド」(一般名)は、糖尿病治療薬「オゼンピック」として治療に用いられているほか、2021年6月に米食品医薬品局(FDA)により肥満症治療薬「ウゴービ(Wegovy)」として承認され、その利用が急増している。

今回の拡張は同社にとって最大規模の投資の1つで、140万平方フィート(約13万平方メートル)の無菌製剤製造と完成品製造工程用のスペースを追加することで、同州にある3つの施設の総面積が倍増する見込みだ。また、既存の従業員約2,500人に加え、新たに1,000人の雇用が創出される予定だ。既に施設用地の整地と基礎工事が進行しており、施設は2027年から2029年にかけての完成が見込まれている。

EDPNCのクリストファー・チャン最高経営責任者(CEO)は「今回の発表は、ライフサイエンス分野でノースカロライナ州史上最大の投資であり、ノボ・ノルディスクが同州の労働力や州とのパートナーシップなどに信頼を寄せていることを誇りに思う」と述べた。ノボ・ノルディスクが拠点を置くクレイトンとダーラムは、同州中央部に位置するリサーチ・トライアングル・リージョンと呼ばれる地域に隣接、あるいは属している。同地域はライフサイエンス関連企業を中心に集積が進んでおり、アステラス製薬や協和キリン、富士フイルムも投資を発表している(2022年6月20日記事2024年3月4日記事2024年4月16日記事2024年3月28日付地域・分析レポート参照)。

(横山華子)

(米国、デンマーク)

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