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米インフレ削減法、EV購入時の割引額が半年弱で10億ドルに到達(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月14日 11時30分

米国財務省と内国歳入庁(IRS)は6月12日、インフレ削減法(IRA)の下で制定されたクリーンビークル(注1)の新車、中古車の購入者が利用できる税額控除(それぞれ内国歳入法セクション30D、25E)に関し、2024年1月以降、割引額として消費者が受け取った金額が合計で10億ドル以上に達したと発表した(注2)。クリーンビークルのクレジットの販売店への譲渡に関して、政府は5月6日に最終規則を発表した後、6月5日に中古車向けの控除利用促進のための関係者会合を開催するなど、IRAでの取り組みやその効果を積極的にアピールしている(2024年5月15日2024年6月11日記事参照)。

今回の発表で財務省は、民間調査会社エネルギー・イノベーション・ポリシー・アンド・テクノロジーの分析に基づき、車両の耐用年数を15年とすると、電気自動車(EV)の所有者は同等のガソリン車を購入した場合よりも1台当たり合計で1万8,000~2万4,000ドル節約できると試算。中でも燃料費の節約効果は大きく、例えば、同じモデルで1,000マイル(約1,609キロ)当たりの燃料費を比較すると、ガソリン車では1台当たり120ドルに対し、バッテリー式電気自動車(BEV)は約半分の60ドルに抑えられるとした。さらに、メンテナンスコストはガソリン車の場合に1マイル当たり0.10ドルに対し、EVは0.06ドルと40%程度低くなると推定している。

米国での2024年第1四半期(1~3月)のクリーンビークル販売台数は約34万台(2024年4月8日記事参照)だった。前年同期比8.0%増と伸びているものの、約4~5割増で推移してきた勢いは鈍化している。また、税額控除の対象となるモデル数は全クリーンビークルの2割にも満たない。そうした中、財務省のジャネット・イエレン長官は「この(IRAの)割引により、消費者の選択肢が増え、企業が顧客基盤を拡大する新たな機会が生まれている」と述べ、IRAの効果を強調した。

(注1)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の総称。

(注2)一定の条件を満たしたクリーンビークルの購入者は、新車で最大7,500ドル、中古車で最大4,000ドルを税額控除として税務申告し、還付を受けることができる。2024年1月1日からは、購入時にIRSに登録している販売店に対し、控除を受ける権利(クレジット)を譲渡し、控除額分を割引として受け取ることも可能となっている(2023年10月10日記事参照)。

(大原典子)

(米国)

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