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アフリカ最大級の海水淡水化施設、カサブランカ地域で着工(モロッコ、スペイン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月17日 0時55分

近年、干ばつによって飲料水や灌漑用水などの確保が懸念される中、モロッコの大型カサブランカ海水淡水化プラントの着工を記念する式典が6月10日、ムーレイ・エル・ハッサン皇太子出席の下、カサブランカの南部海岸、グレーターカサブランカ地域の一部に位置付けられるアルジャジーダ州ラムハルザ・エッサヘル・コミューンで行われた。最終的な年間生産能力は3億立方メートル、受益人口は推定750万人で、政府はアフリカ最大の海水淡水化プラントとしている。

この事業は、干ばつ対策として政府が2020年から実施している、「国家飲料水供給・灌漑プログラム2020-2027(国家水計画)」に沿ったもの(2024年2月6日記事参照)。

官民連携により50ヘクタールの用地に2段階に分けてプラントを建設する予定で、投資総額は65億ディルハム(約1,027億円、1ディルハム=約15.8円)とされる。2026年末に第1期工事プラントの稼働を予定しており、処理水能力は1日54万8,000立方メートル(年間2億立方メートル)となる計画で、2028年半ばに第2期工事プラント稼働後は処理水能力が1日82万2,000立方メートルに拡大するとされる。

このプラント工事は、長さ1,850メートルの海水取水管2本、長さ2,500メートルの排水溝を持つ逆浸透海水淡水化プラントの建設と、飲料水などの配給システムの2本立てで、3つのポンプ施設、3つの淡水貯蔵タンク、約130キロメートルの配水パイプネットワークで構成される。配水ネットワークには30億ディルハムの投資が必要とされる。

飲料水生産コストは1立方メートル当たり4.48ディルハムとみられ、将来的には必要な電力の100%を再生可能エネルギーの風力発電で稼働させることを目指すとしている。

今回の工事に関しては、国際入札が行われ、日本企業も国際コンソーシアムを組んで参加していた。関連情報は非公開で、発注者は国営電力水道公社(ONEE)とみられる。地元メディアは、最終的にアクシオナ(スペイン)、アフリキア・ガザとグリーン・オブ・アフリカ(いずれもアジズ・アハヌッシュ首相が関係する財閥アクワグループの関連企業)で構成する国際コンソーシアムが落札したと報じている。

(本田雅英)

(モロッコ、スペイン)

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