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ウタパオ空港やマプタプット港の拡張など、EECの大型インフラ開発が進捗(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月25日 0時25分

タイの東部経済回廊(EEC)内の主要な大型インフラ開発事業の進捗状況について、ジェトロは7月19日に現地訪問し、関連当局にヒアリングを行った。EECの大型インフラ開発事業には、官民連携(PPP)方式が採用されている。政府側は総投資額の39%、民間側は61%を負担する予定。具体的には次の4つ。

高速鉄道事業:ウタパオ、スワンナプーム、ドンムアンの3つの主要国際空港を結ぶ鉄道。2029年に開業予定。投資額は2,718億バーツ(約1兆1,688億円、1バーツ=約4.3円)
ウタパオ空港拡張事業:新たな滑走路、旅客ターミナル、空港周辺都市などを開発する。拡張により、年間6,000万人の旅客が受け入れ可能となる。2028年に開業予定。投資額は2,179億バーツ(2018年6月12日記事2020年5月12日記事参照)。
レムチャバン深海港第3期事業:コンテナ、RORO船ターミナルを増設し、最大処理能力を年間1,800万TEU、自動車300万台まで拡張する。F1ターミナルは2027年、F2ターミナルは2029年に開業予定。投資額は1,109億バーツ。
マプタプット工業港第3期事業:全体処理能力を年間3,100万トンへ引き上げ、液化天然ガス(LNG)の処理能力を年間1,100万トンへ拡張。第1段階は2027年、第2段階は2031年に完工予定。投資額は823億バーツ。

ウタパオ空港拡張事業の進捗率は、全体では12.7%だ。EEC事務局(EECO)が担当する発電設備(進捗率95.0%)、給水設備(98.4%)、航空燃料タンク(48.4%)などが最も進んでいる。タイ王国海軍(RTN)は、第2滑走路(13.5%)、航空気象システム(53.9%)を担当する。ウタパオ国際航空社(バンコク・エアウェイズ、BTSグループホールディングス、シノタイ・エンジニアリング・アンド・コンストラクションが出資)が担当する第3旅客ターミナル、貨物施設、地上輸送センターなどの進捗率は6.7%となっている。

写真 太陽光パネルの敷設が進んでいる(ジェトロ撮影)

太陽光パネルの敷設が進んでいる(ジェトロ撮影)

写真 航空燃料タンクなどの建設が進む(ジェトロ撮影)

航空燃料タンクなどの建設が進む(ジェトロ撮影)

高速鉄道が開業すれば、ウタパオ空港からバンコクまで60分でアクセスが可能で、担当者は旅行客の増加を見込む。現在、同空港では航空会社10社が国内線、国際線を就航しているほか、チャーター便なども発着している。

マプタプット工業港第3期工事が進捗

タイ工業団地公社(IEAT)が管轄するマプタプット工業港は、第1期(224万平方メートル)、第2期(235万平方メートル)があり、第3期事業で160万平方メートルを拡張する。液体港(A区画)、LNG港(B区画)、その他エネルギー事業区(C区画)などで構成される。

写真 拡張工事中のマプタプット港(ジェトロ撮影)

拡張工事中のマプタプット港(ジェトロ撮影)

第1段階として、ガルフMTP LNGターミナル社がPPP契約を締結し、B区画の開発を進めている。2024年中にインフラ整備が完了し、2025~2026年にかけて上部構造物を設置し、2027年から同社が30年間にわたってオペレーションを行う。

担当者によると、第2段階のA区画、C区画は、まだ契約先が決定していない。契約締結後、必要に応じて環境・健康影響評価(EHIA)を実施し、2026年7月ごろから上部構造物を建設し始める計画だ。

(北見創)

(タイ)

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