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シンガポール政府系の投資会社テマセク、LNG事業子会社を英シェルへ売却(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月20日 13時10分

シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスは6月18日、同社子会社が傘下の液化天然ガス(LNG)事業会社パビリオン・エナジーの株式100%を英国の大手石油会社シェルの子会社シェル・イースタン・トレーディングに売却すると発表した。売却額は非公表。売却は2025年第1四半期(1~3月)に完了する見通しだ。

シンガポール政府は発電燃料多角化の一環として、2013年からLNG輸入を開始した(2023年11月15日付地域・分析レポート参照)。テマセクは同年にパビリオン・エナジーを設立した。パビリオン・エナジーはシェル・イースタン・トレーディングとともに、エネルギー市場監督庁(EMA)が発給するLNG輸入ライセンスを保有する。テマセクによると、パビリオン・エナジーは現在、米国の石油会社シェブロンや英国のエネルギー会社BP、カタール国営エネルギー会社カタールエナジーなどと、年間合計650万トンものLNG供給契約を結んでいる。

シェルは同日の発表で、パビリオン・エナジー株取得について「(国際的な)LNG事業でシェルの主導的な立場を強化できる」と述べた。また、テマセクのジュリエット・テオ氏(ポートフォリオ開発・シンガポール市場担当ヘッド)は「シェルがパビリオン・エナジーの事業を拡大し、LNGハブとしてのシンガポールの地位を強化できる」と説明した。シェルの今回の買収には、パビリオン・エナジーのガス・パイプライン事業は含まれていない。テマセクはシェルへの売却前に、ガス・パイプライン事業をテマセクの完全子会社ガス・サプライ(GSPL)に移管する。また、パビリオン・エナジーがタンザニアのガス田ブロック1と4で保有する20%の権益も、シェルへの売却対象とならない。

シェル、2030年までにLNG事業を2022年比20~30%拡大へ

シェルは2030年までに、同社のLNG事業を2022年比で20~30%拡大する方針だ。同社は2024年2月に発表した「LNGアウトルック2024」で、世界のLNG需要が2040年までに50%増加するとの見通しを示していた。同社によると、中国の産業界は石油からガスへの転換による炭素排出量の削減を進めている。また、南アジアと東南アジアの一部地域では今後10年、国内のガス生産が減少する一方で、ガス火力の発電所や産業界からのLNG需要が拡大すると見込んでいる。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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