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2025年の最低賃金は30%引き上げ(トルコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月9日 0時20分

添付資料PDFファイル(86 KB)

トルコ労働社会保障省の12月22日の発表によると、2025年1月1日以降の1日当たり最低賃金は866.85リラ(約3,901円、1月5日付換算レートで1リラ=約4.5円)に引き上げられた。2024年1月1日~12月31日の1日当たり666.75リラから30%増となる。最低賃金の月額グロスは2万6,005.5リラ、同ネット(同グロスから社会保険と失業者ファンドを差し引いた金額)で2万2,104.67リラとなった。また、雇用者側の負担(月額)は給与を含めた合計で3万556.46リラとなる(添付資料表参照)。

ベダト・ウシュクハン労働社会保障相は、最低賃金が労働者と雇用者の代表による提案に加え、マクロ経済と経済動向を評価することで、最もバランスのとれた水準として決定されたと述べた。また、レジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、労働者をインフレの脅威にさらさないという約束を忠実に守ってきたと主張した。

経済界は政府決定をおおむね好意的に受け入れているが、デニズリ商工会議所のセリム・カサプオール会頭は、2025年の最低賃金は雇用主に大きな負担をもたらし、労働者にとっては十分ではないと評し、産業部門へのインセンティブと支援の増強が望まれると述べた(2024年12月25日付「エコノミム」)。

トルコ労働者組合連合(TÜRK-İŞ)は、労働者側の要求は月額ネット2万9,583リラだったと不満を示し、12月24日の最低賃金決定委員会の会議に出席しなかった。TÜRK-İŞの調査によると、12月末発表段階で、貧困ラインの所得(1世帯4人家族の衣食住など最低限を保証する水準)は月額6万8,675リラ、飢餓ライン(食費のみ)は月額2万1,083リラという。また、革命的労働組合連合(DİSK)は、トルコの労働者の47.8%が最低賃金か同程度の賃金で働いており、その割合は女性労働者では57.5%まで増加するとしている。

2024年のトルコの物価上昇率(12月の前年同月比)は、消費者物価指数(CPI)上昇率が44.38%、国内生産者物価指数(D-PPI)上昇率が28.52%と、前年からは改善したものの、高水準にあり、国民の購買力低下が続いている。

(中島敏博)

(トルコ)

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