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英中銀、4.75%へ金利引き下げ決定(英国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月11日 15時10分

英国のイングランド銀行(BOE、中央銀行)は11月7日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、4.75%とすると発表した。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で9人中8人が利下げを支持して決定した。8月にも5.25%から5.00%に引き下げられており(2024年8月2日記事参照)、2024年に入って2度目の利下げとなった。BOEは、インフレを目標に近い水準にとどめる必要があり、金利を急激あるいは大幅に引き下げることはできないものの、経済が予測どおりに進展すれば、金利の段階的な引き下げを継続する可能性が高いとしている。

一方、BOEによる10月に発表されたスターマー新政権の秋季予算案(2024年10月31日記事参照)で掲げられた増税がインフレ圧力を高めるとの予測を受け、金利の引き下げペースが従来考えられていたよりも緩やかになる可能性が報じられている(「BBC」11月8日)。特にBOEは、国民保険料の雇用主負担分の引き上げと最低賃金の引き上げは雇用にかかるコスト上昇につながる可能性が高いとの考えを示した。同日公開された金融政策報告書によると、BOEの最新の予測ではインフレ率は2025年半ばにかけて約2.75%まで上昇、2026年は目標の2%よりも高めの水準で推移し、その後2027年末に1.8%まで低下すると予想している。BOEは、前回予測(8月)で2026年末に1.6%と、2%目標を下回るとしていたが、今回の発表ではその時期を1年後ろに倒したかたちだ。

直近のインフレ率に関しては、9月に1.7%となったものの、2024年末までに2.5%前後で推移すると予想している。また、サービス価格インフレ率については、8月の5.6%から9月に4.9%へと大幅に低下した。BOEの予測では、今後6カ月間はサービス価格インフレ率が新型コロナウイルス禍前の平均水準を上回り、4.9%前後で推移するとしている。私立校の授業料に対するVAT免除の廃止や、バスの片道運賃の上限引き上げが影響し、わずかに上昇する可能性もあると見込んでいる。

報道によると、アンドリュー・ベイリーBOE総裁は、米国共和党のドナルド・トランプ前大統領の勝利によって世界経済に新たなインフレ圧力がかかるとの見通しから、借り入れコスト削減には「段階的な」アプローチが必要だと述べた。さらに、米国が貿易相手国に広範囲な輸入関税を課すかどうか、BOEとしては「様子を見る」とし、「何が起こるか現時点で判断するのは時期尚早」だと述べた(「ガーディアン」紙11月7日)。

(松丸晴香)

(英国)

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