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第一三共、バイエルン州でがん治療薬製造施設の起工式を実施(ドイツ、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月28日 10時25分

第一三共は11月21日、ドイツ南部バイエルン州のプファフェンホーフェンにおいてがん治療薬用抗体薬物複合体(ADC、注)の製造施設の起工式を行った。起工式には、バイエルン州のマルクス・ゼーダー首相も出席した。

同社は2024年2月、プファフェンホーフェンの研究・開発拠点を国際イノベーションセンターに拡張する計画を発表した。本計画の枠組みの中で、プファフェンホーフェン拠点に約10億ユーロを投資するとした。今回のADCの製造施設の建設はその一環で、2026年末までに完成の予定。

第一三共はADCの製造施設の建設のほか、循環器疾患の治療薬の生産能力増強や研究施設建設を計画している。これより2030年までに、プロセスエンジニアやバイオテクノロジー専門家を含む少なくとも350人の雇用創出を見込む。現在、第一三共はプファフェンホーフェンで約800人の従業員を雇用している。

ゼーダー州首相はADCの製造施設建設について、「これは経済的に困難な時代においてバイエルン州が医薬品の拠点であることを示す強いシグナルだ」とコメントした。また、バイエルン州政府は「ハイテク・アジェンダ」(2023年5月10日記事参照)と最高水準の医療の提供と研究開発を目指す「ハイメド(Highmed)・アジェンダ」の一環として、新技術に約60億ユーロ、うちバイオテクノロジーに約5億ユーロの投資を行うと言及した。

第一三共は2005年、三共と第一製薬の2社の合併により設立された。プファフェンホーフェン拠点は、三共が1990年にルイトポルト・ウェルク・グループの買収により入手した生産施設だった(メールマガジン「J-BIG Japan Business in Germany」2024年1月31日)。プファフェンホーフェン 拠点は第一三共の最も大きな研究・開発拠点の1つとなっている。同拠点から50カ国以上へ治療薬の配送を行っている。

(注)抗体薬物複合体(ADC)は、モノクローナル抗体に細胞毒性の薬物を結合させたがん治療法。

(クラウディア・トーディ)

(ドイツ、日本)

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