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米大統領選後も、メキシコでは深化したサプライチェーンは不可逆的との見方(メキシコ、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月14日 11時0分

米国大統領選挙でのトランプ氏勝利の報を受け、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は、祝辞を表明するとともに、協調・協力を呼びかけた。墨米通商関係については、長期的に見てもメキシコのポテンシャルは高く、深化したサプライチェーンを覆すまでには至らない、との識者の見方が多い。

シェインバウム大統領は、11月6日にX(旧Twitter)上で「私たちを結びつける幅広い2国間アジェンダを前進させるため、対話と互いの主権の尊重をもって、協調・協力し続けることを確信している」と述べた。トランプ氏が、移民対策強硬派として知られる米移民税関捜査局(ICE)元局長代理のトム・ホーマン氏を不法移民強制送還の責任者に指名するとの報を受け、「国境の向こう側にいるメキシコ人を守る。新政権になる前に移行チームとコンタクトを取る。メキシコ移民は米国経済にとっても重要な存在である」と主張した。また、マルセロ・エブラルド経済相は「メキシコと米国の通商関係の統合は不可逆的なプロセスであり、両国は経済関係を強化することにコミットしている」「メキシコに追加関税をかけるのであれば、対抗措置を取る。われわれには有利な条件がそろっている」(いずれも「エル・フィナンシエロ」紙11月11日付)としている。

メキシコの公共政策を分析し、主に経済・社会・法の支配に関する提言・問題提起を行っている、2003年創立のシンクタンクであるメキシコ競争力研究所(IMCO)局長のヘスス・カリージョ氏にジェトロがヒアリング(11月8日)を行った。同氏は「トランプ新政権となることは、メキシコにとって多くの課題を突き付けられることは確かだ。だが、元々、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に署名したのはトランプ氏であり、これに根本的な変更を加える可能性は低いと見ている。(USMCA発効の効果もあって)今までに築き上げた米墨間の深いサプライチェーンがあることを米国自体が認識しており、重要性をわかっている」と述べている。

また、11月8日に行われた日本メキシコ商工会議所60周年記念式典の際、同商工会議所幹部は「メキシコはUSMCAの一員であり、経済的な効果は証明されている中で基盤そのものが大きく変わるものではないと見ている。長期的な視野で見てもメキシコのポテンシャルは重要であり続ける。情勢には常に注意を払いながらも、粛々と対応して行きたい」との姿勢を示した。

(中島伸浩)

(メキシコ、米国)

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