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グリーン・デジタル法規制や高コストに課題、ジェトロ海外進出日系企業実態調査(欧州編)(欧州、EU、ウクライナ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月19日 15時20分

ジェトロは12月19日、「2024年度 海外進出日系企業実態調査(欧州編)」を発表した(プレスリリース)。調査は8月27日~9月19日に実施し、西欧14カ国、中・東欧9カ国(注)の日系企業1,324社が対象。うち772社から有効回答を得た(有効回答率58.3%)。主なポイントは次のとおり。

1. EUのグリーン政策・規制:「炭素国境調整メカニズム(CBAM)」が約4割で前年調査に続いて最大の関心を集めた。「企業持続可能性報告指令(CSRD)」が僅差で続き、4位の「循環型経済」とともに、前年比で約10ポイント増加した。一方、ビジネスチャンスとして関心のある脱炭素関連事業では、バッテリー・蓄電が最多の44.9%だった。
2. デジタル対応:27.9%が人工知能(AI)を業務で既に活用、49.3%が今後活用予定。今後注目するデジタル関連規制では、サイバーセキュリティー法やデータ規制がそれぞれ約5割の回答を集めた。
3. 経営上の問題点:「人材の確保」(66.5%)に続き、「インフレ」(55.0%)と「労働コストの高さ」(51.1%)がトップ3。製造業では「輸送コスト」や「調達コスト」が前年度から増加した。「ウクライナ情勢」は48.1%で、前年比7.3ポイント減となり、課題の6位に後退。
4. ウクライナの復興支援・ビジネス活動:46.0%の企業が関心あると回答。特に中・東欧の非製造業では62.7%と関心が高かった。課題やボトルネックとしては、安全面・リスク管理に関する懸念が78.3%と最も高かった。
5. 競争環境の変化:進出先での主力製品・サービスの市場シェアは、2019年比で増加が40.5%、横ばいが43.9%と、在欧州の日系企業は奮闘。1番の競争相手は「欧州域内企業」と回答した企業が6割に上り、その理由として、約5割が「ブランド・知名度」、4割弱が「販売ネットワーク」や「製品・サービスの技術力」を挙げている。

(注)西欧はドイツ、英国、オランダ、フランス、ベルギー、スペイン、フィンランド、オーストリア、アイルランド、イタリア、スイス、ポルトガル、スウェーデン、デンマークの14カ国、中・東欧はチェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロベニア、ブルガリア、スロバキア、モンテネグロの9カ国。

(伊尾木智子、森友梨)

(欧州、EU、ウクライナ)

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