1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

10月の米消費者物価指数は前年同月比2.6%上昇と加速、コア指数の低下も足踏み(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月14日 13時0分

添付資料PDFファイル(278 KB)

米国労働省が11月13日に発表した2024年10月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.6%上昇(前月2.4%上昇)とわずかに加速した。また、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は、3.3%上昇と前月から変わらず、足踏み状態が続いている。前月比では、CPIは0.2%上昇、コア指数は0.3%上昇と前月から変化なかった(添付資料図1、表参照)。いずれも、市場予測と一致した。なお、コア指数は、3カ月前比、6カ月前比で見た場合も、それぞれ3.6%上昇(前月3.1%上昇)、2.6%上昇(前月2.6%上昇)といずれも低下は足踏みしている。

品目別に前年同月比でみると、エネルギー価格は引き続き下落したものの、下落幅は4.9%(前月6.8%下落)と縮小した結果、今月のCPIを押し上げる要因となった。食料品は2.1%上昇と前月(2.3%上昇)からわずかに伸びが縮小した。

エネルギーと食料品を除いたコア指数のうち、衣料品(0.3%上昇)が前月(1.8%上昇)より伸びが縮小、中古車(3.4%下落)の下落幅も前月(5.1%下落)から縮小するなどした結果、財部門は1.0%下落と前月と同じになった。

サービスは4.8%上昇と前月(4.7%上昇)からわずかに伸びが加速した。物価のうち3割のウエートを占める住居費は4.9%上昇と前月同様の伸びとなった。賃料の伸びは4.6%上昇(前月4.8%上昇)と低下したが、帰属家賃(注)は5.2%上昇と前月と同様で、テナント保険は2.5%上昇(前月2.2%上昇)と伸びが加速した。また、ハリケーンに伴う影響でホテルなどへの宿泊者が増加した結果、宿泊費は0.1%下落(前月2.8%下落)と下落幅が縮小している。それ以外のサービス価格の状況はまちまちで、自動車保険の低下などが寄与して輸送サービス(8.2%上昇)の伸びは低下した一方、医療サービス(3.8%上昇)は加速し、これらを踏まえた、住居費除くサービスは4.5%上昇と前月(4.4%上昇)からわずかに伸びが加速した(添付資料図2参照)。

今回の結果に関し、市場関係者は事前予想と一致したことを好感しており、12月に行われる連邦公開市場委員会(FOMC)については予定どおり利下げが行われるとの見方が強い。一方、このところのコア指数の低下の足踏みは、連邦準備制度理事会(FRB)の物価安定目標の達成までになお時間がかかることを示唆している。米金融機関ウェルズ・ファーゴのエコノミストであるサラ・ハウス氏とマイケル・パグリーズ氏は「過去数カ月間のインフレデータは大きな追加的進展を示していない。これに加え、選挙結果は今後の物価上昇の道筋に新たな疑問を投げかけた。その結果、FOMCが利下げペースをさらに減速させ、おそらく2025年からは2回に1回のペースにすることを示唆するタイミングが急速に近づいていると考えている」と述べており(ブルームバーグ11月13日)、2025年の金融政策はややペースダウンする可能性があると指摘している。

(注)自己が所有する住宅(持ち家住宅)に居住した場合、家賃の支払いは発生しないものの、通常の借家や借間と同様のサービスが生産され、消費されるものと仮定して、それを一般の市場価格で評価したもの。

(加藤翔一)

(米国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください