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上海汽車集団、自動車専用船の輸送能力増強、海外向けは2026年までに100万台へ(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月2日 0時10分

中国の大手自動車グループの上海汽車集団(SAIC)は7月24日、国有造船グループの中国船舶集団に建造を発注していた自動車専用船の2隻目の引き渡しを受け、「上汽安吉錦誠」と命名したと発表した。両社は2022年1月に2隻の建造契約を締結していた(2022年1月24日記事参照)。この専用船は全長200メートル、幅38メートル、高さは13階建てのビルに相当し、排水量は約4万トン、自動車の最大積載台数は7,600台に上る。1月から運航を開始した1隻目の自動車専用船「上汽安吉申誠」と同様、現時点では世界最大級の積載量を誇る。2隻は上海~欧州の定期航路に就航し、上海汽車集団の自主ブランド車をはじめ、輸送輸出が急拡大する中国自動車メーカーの輸送力増強の一翼を担う。

2隻はいずれも、上海汽車集団傘下の子会社で世界最大の自動車運搬会社の上汽安吉物流が使用する。同社の年間の輸送能力は1,000万台に達しており、道路、鉄道、海運などを活用した複合一貫輸送を手掛け、中国国内の約600都市、国外100カ国以上をカバーする輸送ネットワークを構築している。同社が保有する自動車専用船32隻のうち、外航海運で使用するのは12隻で、東南アジアやメキシコ、南米西岸、欧州など7航路を運航している。また、同社は2026年までに海上輸送能力を180万台とし、このうち輸出向けでは100万台に引き上げる目標を掲げている。同社が1月に発表した計画によると、輸送能力向上の実現に向け、今後3年間で積載能力が7000台、7,600台、7,800台、9,000台クラスの自動車専用船14隻を船隊に加える予定だ。

上海汽車集団が自前の船隊の増強を続ける背景には、好調な国外販売がある。同社の発表によると、2024年1~6月の国外への納車台数は前年同期比13.9%増の55万4,000台だった(注)。また、紅海航路の混乱が続くとされる欧州向けの輸送も好調を維持してきた。同社傘下の「MG」ブランドの欧州での納車台数はテスラを上回る12万台に達し、上位20ブランドにランクインしたと発表した。

(注)なお、中国汽車工業協会(CAAM)の7月10日の発表では、2024年上半期(1~6月)の中国の自動車輸出台数について、上海汽車(43万9,000台)は奇瑞汽車(53万2,000台)に次ぐ2位となっている(2024年7月16日記事参照)。

(劉元森)

(中国)

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