米カルトレイン、160年の歴史を経て電化、オンラインで旧ディーゼル車両も販売(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月1日 0時25分
米国カリフォルニア州サンフランシスコからサンノゼ間を運行し、160年の歴史を誇るカルトレインは9月21日、ディーゼルから電化に移行した。これにより、速度が向上し、運行本数も増やせることとなった。サンフランシスコ~サンノゼ間は1時間かからなくなり、ピーク時には15分から20分おき、週末でも30分おきに運行が可能となった。
新しい車両には、車内にデジタルディスプレーが搭載され、無料Wi-Fi、電源コンセント、ライト、おむつ交換台付きのトイレ、監視カメラ、座席下の収納スペースなど、便利な設備が整っている。
(左)電化したカルトレインの新車両、(右)車内の様子(ともにジェトロ撮影)
サンノゼ・ディリドン駅から南のギルロイまではディーゼル車両に乗り換える必要があるが、最終的にはバッテリー駆動の車両に置き換えられる。車両はユタ州ソルトレークシティーで、スイスに拠点を置くスタッドラーが製造した。
9月21日と22日は、パロアルトとサンマテオでカルトレインの電化を祝うイベントが開催され、多くの来場者でにぎわった。
(左)イベントで新車両を見学する人々、(右)電化記念のイベント(ともにジェトロ撮影)
この51マイル(約82キロ)の電化プロジェクトは、カリフォルニア高速鉄道プロジェクト(注1)の一環で、サンフランシスコのセールスフォース・トランジット・センター(注2)への路線延長も計画されている。また、新たにオープンしたカルトレインのオンラインストアでは、電化をテーマにしたホリデー用セーターやトートバッグなどのアイテムとともに、「大切に使われ、愛情をもって整備された」135トンの旧ディーゼル車両も販売されている。
(注1)カリフォルニア州全体を結ぶ高速鉄道システムの建設計画。計画では、サンフランシスコからロサンゼルス、その後、サクラメントやサンディエゴへも拡張する予定。
(注2)サンフランシスコの街の中心に位置する近未来的な巨大交通ターミナル施設で、当初はトランスベイ・トランジット・センターと呼ばれていたが、2017年にビジネスアプリケーションなどを提供するセールスフォースが25年間の冠名権を取得した。
(松井美樹)
(米国)
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