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国内最大のインキュベーション施設「STATION Ai」、名古屋で開業(愛知)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月12日 1時0分

名古屋市昭和区鶴舞に、スタートアップと中部地域の大企業などをつなぐハブ拠点として、「STATION Ai」(ステーション・エーアイ)が1031日にグランドオープンした。

STATION Aiは、愛知県が201810月に策定した「Aichi-Startup戦略」の一環として、スタートアップ創出や育成、オープンイノベーションの強化を目的として創設した国内最大とされるインキュベーション施設だ。1031日時点で既に500社を超える国内外のスタートアップ企業、200社を超える大企業やベンチャーキャピタル(VC)、支援機関、大学の登録があり、2029年までにスタートアップ1,000社の入居を目指す。中部地域にとどまらず、国内外のエコシステムプレーヤーが一堂に会する拠点となっている。

STATION Aiの開業に際して、大村秀章愛知県知事は「スタートアップと大企業が同じ建物でイノベーションを起こしていく」と述べ、同施設をアジアのハブとして、世界に進出する中部地域発スタートアップを育成していきたいとの高い期待を示した。同施設を核とした海外企業とのオープンイノベーション、事業共創に向けた連携の動きが注目されている。

写真 STATION Aiのオープニングセレモニー(ジェトロ撮影)

STATION Aiのオープニングセレモニー(ジェトロ撮影)

111日にはスタートアップエコシステム関係者向けに、数多くのオープニングイベントも催された。STATION Aiを介したスタートアップの海外展開が期待される中、ジェトロはセミナー「GLOBAL TALK~日系スタートアップが語る、フランス進出のリアルとチャンス~」を実施した。

セミナーには、ジェトロ・パリ事務所の井上尚貴イノベーション担当ディレクターや、知的障害のある作家のアートを取りいれた商品を展開するヘラルボニー(本社:岩手県盛岡市)の忍岡真理恵最高執行責任者(COO)、ハイエンド向け産業用ドローンの開発・製造を行うプロドローン(本社:名古屋市)の戸谷俊介代表取締役社長が登壇した。フランス市場の特徴として、大企業がスタートアップと協業しながら新しいものをともに生み出していこうとする考え方や、人間同士の関係性や伝統、ストーリー性を重視する点が日本と親和性が高く、ビジネスを進める上でのチャンスやポイントなどを欧州展開の実体験とともに伝えた。フランスは世界最大級のスタートアップキャンパス「STATION F」を擁し、LVMH、ロレアル、グーグル、マイクロソフトなどの大手企業がスタートアップ向けのアクセラレーションプログラムを運営し、積極的な協業促進を図っている。

写真 「GLOBAL TALK」の様子(ジェトロ撮影)

「GLOBAL TALK」の様子(ジェトロ撮影)

さらに、ジェトロでは「INVEST IN AICHI-NAGOYA CONSORTIUM」(注)と連携し、2025年2月に海外スタートアップの招聘(しょうへい)を実施するなど、中部地域と海外とのコラボレーションとイノベーションを促進する取り組みを行う予定だ。

(注)「INVEST IN AICHI-NAGOYA CONSORTIUM」は、愛知県と名古屋市のイノベーションの促進、産業の活性化、雇用の拡大を目的として、2022年3月25日に設立されたコンソーシアム(構成員:愛知県、名古屋市、名古屋産業振興公社、愛知県立大学ICTテクノポリス研究所、名古屋市立大学)。愛知県・名古屋市外国企業誘致事業HP参照。

(亀多瞭介、井上尚貴)

(愛知)

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