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商務部、全国版と自由貿易試験区版の越境サービス貿易ネガティブリスト発表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月2日 11時10分

中国商務部は3月22日、2024年第1号部令「越境サービス貿易特別管理措置(ネガティブリスト)」(2024年版)と「自由貿易試験区越境サービス貿易特別管理措置(ネガティブリスト)」(2024年版)を発表した。両リストは4月21日から施行される。

全国版リストには、国外から中国にサービスを提供する者を対象にした11分野(注1)、71項目の特別管理措置が記載され、越境サービス貿易分野で全国的範囲(注2)では初のネガティブリストとなった。リストに記載のない分野については、国内外のサービスおよびサービス提供者に対して同一の待遇を与えると規定している。

自由貿易試験区版リストは11分野、68項目あり、全国版と比べ、主に次の規制が緩和されている。

1. 人材分野に関する各種規制を撤廃する。不動産鑑定士、競売人、登録監理技術者(注3)、獣医師など6種類の資格試験への外国籍人材の受験制限をなくす。
2. 金融業の分野では、条件に合致する外国人に対し、証券口座や先物口座の開設を許可し、外国人が証券・先物の投資コンサルティングの就業資格などを申請することが可能になった。
3. 専門サービス業では、国外に設立された経営主体、個人が通関申告業務に従事することを許可した。
4. 文化分野の対外開放の拡大。中外合作テレビドラマの制作者に占める中国人の割合が3分の1以上から4分の1以上に緩和した。

商務部サービス貿易司と自由貿易区港司の責任者は、全国版と自由貿易試験区版の越境サービス貿易ネガティブリストの導入について、「国際的に高水準な経済貿易ルールとつながる基盤を築き、越境サービス貿易の管理の透明性と予測可能性を大幅に強化するように配慮した」と説明したほか、「これは中国のサービス貿易管理体制の重大な改革で、ハイレベルの対外開放を拡大する重要な措置でもある。世界のサービス貿易の開放イノベーション協力に新たなチャンスをもたらす」との見方を示した。

(注1)(1)農林牧漁業、(2)建築業、(3)卸売・小売業、(4)交通運輸倉庫、郵政業、(5)情報通信・ソフトウエア、情報技術サービス業、(6)金融業、(7)リース、ビジネスサービス業、(8)科学研究、技術サービス業、(9)教育、(10)衛生、社会活動、(11)文化・スポーツ、娯楽業。

(注2)中国初のサービス貿易分野のネガティブリストとしては、海南省の「海南自由貿易港越境サービス貿易特別管理措置(ネガティブリスト、2021年版)」がある(2021年8月4日記事参照)。

(注3)登録された工事監理技術者。

(趙薇)

(中国)

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