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カラダン・マルチ輸送路計画が進むインド・ミャンマー間の貿易動向(インド、ミャンマー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月5日 0時20分

添付資料PDFファイル(177 KB)

インド・ミャンマー両国の間では、インド北東部とミャンマー西部の物流をカラダン川でつなぐカラダン・マルチ輸送路計画が進んでいる。インドのコルカタ港からベンガル湾を渡りミャンマーのシットウェー港を経由し、ミャンマー西部を流れるカラダン川を活用した河川輸送と高速道路を組み合わせ、インド北東部のミゾラム州まで結ぶ計画だ。2023年5月には、同計画によりコルカタ港からシットウェー港に最初の貨物船が到着した。

添付資料表1は、インドの対ミャンマー貿易の推移を示したものだ。2023年は7億6,100万ドルの輸出に対し10億2,200万ドルの輸入と、インド側が2億6,100万ドルの入超になっている。表には示さないが、2018年にはミャンマー向け輸出が12億3,100万ドルを記録したものの、新型コロナウイルス禍とその後のクーデターによる影響でミャンマー経済が停滞し、近年はミャンマーへの輸出需要が減退しているものとみられる。

2023年のインドからミャンマーへの輸出を品目別にみると(添付資料表2参照)、人髪が1億8,800万ドルでトップ、次いで医薬品(主に胃腸薬)が1億3,400万ドルと続く。弾薬をはじめ、軍用武器に関する品目が近年増加しているのは、ミャンマー国内の内戦による影響とみられる。

2023年のインドによるミャンマーからの輸入を品目別にみると(添付資料表3参照)、豆類をはじめとした農産物が多くを占める。インドは世界有数の豆類の生産国だが、ミャンマーも豆類は主要輸出品目の1つとなっている。インドの堅調な経済成長を背景に、近年ではミャンマー産の農産物が安定的に輸入されている様子がうかがえる。

現在、カラダン・マルチ輸送路計画の高速道路建設部分は、ミャンマー国内の内戦による影響で遅れが生じているとされる。同輸送路計画は、経済発展が遅れる北東部の物流アクセス改善に加え、ミャンマーを経由し北東部をインド洋と結ぶうえでもインドにとって重要な意味合いを持つといえよう。

(水谷俊博)

(インド、ミャンマー)

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