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6月のCPI上昇率に抑制の兆し(トルコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月10日 0時30分

トルコ統計機構(TUIK)が7月3日に発表した6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比1.64%、前年同月比71.60%だった。経済紙「AAファイナンス」がエコノミストを対象に行った調査によるインフレ予想値72.68%を下回った。インフレ予想値の抑制傾向を受け、メフメト・シムシェキ国庫・財務相は「ディスインフレプロセスが始まった」と声明を発表した。

トルコのCPI上昇率は、5月の前年同月比75.45%をピークに、前年同月のインフレ率が高水準だったベース効果などを要因に、予想どおり低下に転じた。前月比でみると、特に耐久消費財〔前月比(以下、同)0.50減〕、衣料品・靴(0.68%減)などのコアインフレ(0.11増)が頭打ちになっており、上昇ベースは鈍化している。他方、サービス部門(3.31%増)は、不動産賃貸(5.09%増)、レストラン・ホテル(3.09%増)の上昇は鈍化したものの、交通費(4.53%増)、通信費(4.20%増)の上昇は5月を上回る水準にあり、サービス部門のインフレ圧力が根強い状況にあることを反映した。

TUIKの発表と同じ日に発表された独立調査機関ENAグループの調査結果によると、6月のCPIは前月比4.27%、前年同月比113.08%の上昇とされ、政府発表からは乖離している。また、イスタンブール商業会議所(ITO)が7月1日に発表したイスタンブール市の6月の小売物価上昇率は、前月比ではほぼ前年同月並みの3.42%、前年同月比では82.14%の上昇だった。

6月の国内生産者物価指数(D-PPI)上昇率は前月比1.38%、前年同月比では50.09%だった。

中央銀行は6月27日の金融政策決定会合で、政策金利を4会合連続で50%に据え置き、政府も、2024年は7月の最低賃金引き上げは行わないなど、緊縮策を継続する意向を示している。レジェップ・タイップ・エルドアン大統領は「経済のバランスを取り戻すための政策が実を結びつつある」と述べ、金利に関する措置によりインフレは第4四半期(10~12月)にさらに好ましい状況になるだろうとして、同四半期の利下げを示唆した。ロイターによると、エコノミストはトルコのインフレ率は2024年末までに42.2%にまで抑制されるとの見方を示している。

(中島敏博)

(トルコ)

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