第3四半期の輸出入は4期連続で増加、輸出信頼感指数も楽観的な見通しが持続(香港)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月6日 0時20分
香港特別行政区政府統計処が10月28日に発表した貿易統計によると、2024年第3四半期(7~9月)の貿易額は、輸出が前年同期比8.0%増の1兆1,666億2,400万香港ドル(約23兆3,325億円、1香港ドル=約20円)、輸入が6.0%増の1兆2,756億香港ドルだった(添付資料表参照)。輸出、輸入とも、2023年第4四半期(10~12月)から4期連続で増加した。9月単月では、輸出が前年同月比4.7%増の3,981億3,840万香港ドル、輸入が1.4%増の4,513億4,240万香港ドルだった(添付資料表、図参照)。輸出、輸入とも7カ月連続での増加となった。9月の貿易収支は532億400万香港ドルの赤字で、8カ月連続の赤字だった。
主要国・地域別に輸出の動向をみると、第3四半期は、最大の輸出先の中国本土が前年同期比15.7%増と大幅に増加した。そのほか、ベトナム(27.3%増)、オランダ(29.6%増)、米国(6.9%増)が増加した。一方、インド(23.9%減)、アラブ首長国連邦(23.5%減)、マカオ(12.1%減)、韓国(10.5%減)が2桁で減少しており、日本は4.6%減だった。輸入は、最大の輸入元の中国本土が7.3%増だったほか、台湾(15.8%増)、ベトナム(39.8%増)、韓国(21.2%増)が大きく増加し、日本は1.9%増だった。一方、タイ(23.4%減)、米国(3.1%減)などが減少した。
香港政府報道官は今後の見通しについて、「貿易摩擦の悪化と世界経済の不確実性が引き続き香港の輸出に影響を与えるだろうが、中国本土の経済見通しの改善が香港の輸出の改善にもつながるだろう」との見方を示した。
香港貿易発展局(HKTDC)が9月24日に発表した2024年第3四半期(7~9月)の輸出信頼感指数(注)のうち、現状を表す指数は、好調な売り上げや新規受注、単価の上昇、調達活動の拡大を背景に、前期より1.0ポイント上昇の52.6となった。期待指数は51.4で、貿易摩擦の高まりを受け前期より2.9ポイント低下したものの、依然として楽観的なことが示された。
(注)香港を拠点とする500社以上の輸出企業を対象に四半期ごとに調査。5つの指標(売り上げ・新規受注、貿易額、コスト、調達、在庫)の加重平均により算出。50を中立とする。2023年第4四半期まで同局から報告されていた輸出指数の改定版となる。
(山口雅史)
(香港)
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