1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

トー・ラム国家主席が共産党書記長に就任、故チョン書記長の後任(ベトナム)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月9日 9時0分

ベトナム共産党は8月3日、党の指導機関である中央委員会の臨時総会で、党の最高指導者である書記長にトー・ラム国家主席を選出した。ラム氏は書記長と国家主席を兼任する。書記長職は、グエン・フー・チョン前書記長が7月19日に死去してから、約2週間空席になっていた(2024年7月24日記事参照)。

ラム氏は、1957年の北部フンイエン省生まれ。公安でキャリアを築き、2016年から2期連続で政治局員(注1)と公安相を務めていた。公安相として、チョン氏の意向をくんで汚職捜査の中心的役割を担ってきた。2024年5月に国家主席に就任し、チョン氏が亡くなる直前の7月18日から、書記長の職務も事実上代行していた。今回の決定で正式に書記長に就任したかたちだ。

就任後の記者会見で、ラム氏は、反汚職運動や全方位外交など、従来の路線継承の方針を示すとともに、透明性のある行政改革推進にも意欲を見せた。また、党大会を節目とする5年任期の書記長職に任期途中で自らが就くことについては、過去の措置(注2)を踏襲し、党規定に基づいた手続きをとったと述べた。

なお、ラム氏が国家主席職の兼任をいつまで続けるかは明らかにされていない。ロイターは、ラム氏が書記長の職務に専念するため、新たな国家主席を指名する可能性があると報じているが(ロイター通信8月3日)、複数の海外メディアは、ラム氏が兼任を続けて権力の強化をはかることを懸念する識者の声を伝えている。

就任同日に副首相らを更迭

共産党は同3日、ラム氏の書記長就任後に中央委員会の臨時総会を開催。レ・ミン・カイ副首相(財政などを所管)、ダン・クオック・カイン天然資源環境相、グエン・スアン・キー・クアンニン省党委員会書記、チャウ・バン・ラム・トゥエンクアン省党委員会書記の4人が、中央委員を辞任することを承認した。事実上の更迭とみられる。カイ氏とカイン氏は、近く開かれる国会で閣僚も正式に辞任する。具体的な内容は明らかにされていないが、汚職防止などの党則に違反したとされる。

(注1)政治局員は、中央委員から選出される党の要職。政治局は、党大会や中央委員会の決議の実現を指導・監督し、党の活動方針や人事を実質的に決定する。

(注2)ベトナムで過去に任期途中で書記長に就任したのは、チュオン・チン氏(在任期間:1986年7~12月)、レ・カー・フィエウ氏(1997年12月~2001年4月)の2人。

(萩原遼太朗)

(ベトナム)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください