縫製産業は平常運転、ダッカ日本商工会の繊維部会長に聞く(バングラデシュ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月26日 0時20分
バングラデシュは世界第2位の衣料品輸出国として、繊維産業で重要な役割を果たしている。7月に発生した政変以降、同国の繊維産業と現地日日企業の状況について、ダッカ日本商工会の市野裕之繊維部会長(ヤギ・ダッカ駐在員事務所長)に聞いた(インタビュー:9月19日)。概要は次のとおり。
(問)政変時の状況は。
(答)7月中旬の抗議活動が活発化した際、7月20日に外出禁止令が発出され、インターネット接続が遮断され、輸出入通関が止まり、5日間ほど工場は閉鎖を余儀なくされた。そのため、生産に遅れが発生し、航空輸送で対応した日本企業も多い。政変後、外出禁止令が緩和されると、生産が再開されたが、商品デリバリーには遅れが見られた。
(問)現在の状況は。
(答)ダッカ郊外のアシュリアやシャバールなどの縫製工場が集積する地域で、一部工場の給料未払いや賃上げ要求などで労働者のデモが発生した。最近は落ち着きを見せているが、油断はできないと捉えている。輸出入通関が平常化される中、航空輸送の需要が高まってきたため、航空輸送運賃がこれまでになく高騰している。一部の日本の顧客はバングラデシュを不安視し、中国やミャンマーに調達先の変更を検討する企業もある状況だ。しかし、現地は平常化する途上にあり、繊維部会に所属する日系企業(縫製工場、商社など)は日本の顧客からの受注に向け努力している状況だ。
(問)将来の見通しは。
(答)サプライチェーン上、繊維産業におけるバングラデシュの重要性は変わらないと考えている。バングラデシュほど輸出志向型の工場が多く立地し、大量のオーダーをこなせる国は限られており、世界的に注目されている。また、カットソーやTシャツなどの価格に重きを置いたベーシックアイテム以外に、将来は差別化素材や機能性素材活用の衣料など、高付加価値製品の調達も期待している。輸送費用は徐々に平常化すると思われ、日本からの受注増加を希望している。
ダッカ日本商工会の市野繊維部会長(本人提供)
(安藤裕二)
(バングラデシュ)
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