電気自動車展示会「PEVS2024」開催、BYDの工場建設地など発表(インドネシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月8日 16時25分
インドネシア電気自動車産業協会(ペリクリンド)が主催する自動車展示販売会「ぺリクリンド電気自動車ショー(PEVS)2024」が4月30日から5月5日まで、ジャカルタで開催された。PEVSはインドネシア最大規模の電気自動車(EV)展示会で、四輪・二輪、部品メーカーなど計116事業者が出展した。
中国のEV最大手メーカーBYDの現地法人BYDモーター・インドネシアはこの展示会で、西ジャワ州スバン県にある工業団地「スバン・スマートポリタン」の開発・運営企業のスルヤチプタ・スワダヤと、土地取得にかかる協力協定書を結んだと発表した(5月2日BYDモーター・インドネシアプレスリリース)。同社が取得する予定の土地面積は約108ヘクタールで、2024年8月に土地の引き渡しを受けた後、段階的にEV生産工場の建設を進め、2026年1月の稼働開始を予定する。生産能力については、年間15万台程度が計画されている(「KONTAN」4月30日)。
また、インドネシアのタクシー最大手ブルーバードは、BYDの多目的車「e6 Gen2」25台を新たに導入する予定と発表した。ブルーバードのチーフ・サステナビリティー・オフィサーのアンドリュー・アリスティアント氏は、2024年第3四半期(7~9月)の導入を目指すとした。ブルーバードは3月時点で、BYD以外の車種も含む200台以上のEVをジャボデタベック地域(注)とバリで導入している(「コンパス」4月30日)。
ブルーバード社が導入予定のBYD「e6 Gen2」(ジェトロ撮影)
HV優遇政策については、政府内で検討続く
インドネシア政府は、国産化率に応じた付加価値税減税や国内での生産計画を条件とした奢侈(しゃし)品販売税免除など、バッテリー式電気自動車(BEV)に関する優遇措置を導入しているが、ハイブリッド車(HV)については導入していない(2024年3月5日記事参照)。HVへの優遇措置については、ジョコ・ウィドド大統領がPEVS訪問時に「経済担当調整大臣府や工業省で検討が続いている」と明らかにした一方、ペリクリンド会長のムルドコ大統領首席補佐官は「HVへの優遇策はBEVの販売に影響を与える」と否定的な考えを示すなど、政府内でも反応が分かれている(「アンタラ」5月6日)。
インドネシア自動車製造業者協会(GAIKINDO)によると、2024年第1四半期(1~3月)のBEVにプラグインハイブリッド車(PHEV)やHVを加えたEV全体の販売台数(卸売り)は1万9,157台で、そのうちHVは1万3,237台だった(2024年5月7日記事参照)。
(注)インドネシアの首都ジャカルタと周辺都市(ボゴール、デポック、タンゲラン、ブカシ)を指す。
(八木沼洋文)
(インドネシア)
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