英財務相が中国訪問、関係深化に向けて経済・金融対話を開催(英国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月23日 1時10分
英国のレイチェル・リーブス財務相は1月11日、中国を訪問し、何立峰・副首相とともに、英中経済・金融対話を主催した。同様の対話が開催されるのは2019年以降で初。金融サービスのほか、貿易、投資、農業、気候変動、エネルギーといった分野を対象に、協力に向けた議論を行った。
金融サービスに関しては、両国の資本市場の連結性改善に向けた取り組みや、年金、サステナブルファイナンスでの協力に関する取り組みについて議論が行われたとしている。連結性の改善については、資産運用に関する新たなプログラム「ウェルス・コネクト」の実施可能性を調査することで合意した。サステナブルファイナンスについては、中国が2025年中に人民元建てのグリーン国債をロンドンで発行するとしたほか、英中グリーンファイナンス・タスクフォースについても、サステナビリティー関連情報の開示やトランジションファイナンスなど、新たな分野での協力を進めていくことに合意した。
このほか、英国政府は、中国がHSBCやシュローダーといった英国の金融機関に対して、新たなライセンスを発行するとしたことを歓迎した。このほか、金融サービスにおける規制協力の強化についても約束した。
貿易、投資については、国益を考慮しつつ、2国間貿易・投資に関する対話の強化に合意、公正かつ開かれた投資環境の整備を約束した。農産物に関しては、英国産の豚肉、ペットフード、羊毛、スコッチウイスキーなどの輸出に進展があったとしている。このほか、気候変動やエネルギーといった分野でさらなる協力に合意した。
さらに、科学・技術、マクロ経済および投資政策、化粧品、技術標準開発、スキル、文化・クリエーティブ産業政策、スポーツ、知的財産などの分野で、対話や交流を行っていくことにコミットした。
一方で、リーブス財務相は中国政府関係者との会談で、ロシアの防衛産業への支援停止を求めたほか、英国内での民主主義への介入や悪意あるサイバー活動への深い懸念を表明した。また、新疆ウイグル自治区の状況など、人権や強制労働についても言及したとしている。
(ワルダ・ホリー)
(英国、中国)
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