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米オープンAIが生成AI検索サービス「SearchGPT」の試験提供を開始、報道機関とも提携(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月30日 13時0分

対話型人工知能(AI)の「ChatGPT」などの開発を手掛ける米国オープンAIは7月25日、生成AIを使った検索サービス「SearchGPT」の試験提供を開始したと発表した。

発表によると、SearchGPTは利用者が質問を入力すると、AIがインターネット上で見つけた検索結果を要約して回答を提示する。回答の根拠となる情報源のリンクも併せて表示し、自然な対話形式で追加の質問にも対応する。ChatGPTは現在でも、インターネット上の情報を基に質問に回答する機能はあるものの、回答を生成するために古いデータに依存する欠点がある。これに対し、SearchGPTは、オープンAIが「明確で関連性の高い情報源」とする情報源へのリンクとともに、最新の情報を提供できる特徴があるという(CNN7月26日)。

本サービスは、米国の少数の利用者や報道機関に限って提供し、意見を募ってサービスを改善する。一般提供の時期は未定だが、将来的にはChatGPTに統合する方針だという。

生成AIの検索サービスを巡っては、マイクロソフトが2023年に同社の検索エンジンである「Bing」にAIチャット機能を搭載した「Bing AI」を導入し、同分野ではリードしていた。その後、グーグルやパープレキシティなども開発を進めていることで競争が加速しており、各社とも独自の生成AIによる新たな検索体験を試験提供している(ワイアード7月25日、2024年6月24日記事参照)。グーグルは2023年5月に、AIを活用した同社の検索サービス「AIオーバービュー」を発表したが、公開直後には、不適切な回答が相次いで表示される初期の不具合が問題視された。その後は技術的な改善を実施し、特定の検索語句に対するAIオーバービューの回答を無効化するための措置を講じた(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版6月1日)。

オープンAIが今回開始するサービスに活用する技術的な詳細は明かされていないが、AI検索の業界標準である「検索拡張生成(Retrieval-Augmented Generation:RAG」を採用している可能性がある。RAGは、ChatGPTなどのAIチャットボットの既存モデルに信ぴょう性の高い外部情報の検索を組み合わせる仕組みで、検索ベースと生成AIモデルの双方の長所を統合することにより、文脈に即した正確な回答を活用できる仕組みとなっている。

なお、オープンAIを含むテック企業数社は、著作権で保護された記事を無断で使用したとして、ニューヨーク・タイムズを含む複数の報道機関から起訴されている(2024年5月28日記事参照)。今回、同社が試験提供を開始した「SearchGPT」については、報道機関などと提携し、利用者が検索結果の出所源を確認できるよう明確に提示するなどの対策を講じるとしている。

(樫葉さくら)

(米国)

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