豪アクセラレーターのメドテック・アクチュエーター来日、広島のスタートアップと面談（広島、オーストラリア）

ジェトロは6月19日、オーストラリアの医療・ヘルスケア分野のアクセラレーターであるメドテック・アクチュエーター（MedTech Actuator）を広島に招へいし、広島県のヘルスケア・医療機器関連のスタートアップ4社との個別面談を実施した。

個別面談では、スタートアップ各社からのピッチを踏まえ、メドテック・アクチュエーターより海外展開に向けた課題の整理やアドバイスなどのフィードバックが行われた。同社はヘルスケア分野のスタートアップを世界で200社以上支援しており、日本でも「Origin」や「グローバル・ナビゲーター」など、各種支援プログラムを展開している。

メドテック・アクチュエーターとスタートアップの面談の様子（ジェトロ撮影）

海外市場に精通したアクセラレーターは、東京や大阪など、都市部に日本拠点を構えていることが多いため、地方発のスタートアップに対しては対面での情報提供の機会が限られている。参加した広島県のスタートアップからは、「これまでオーストラリアの市場について詳しく知る機会がなかったが、臨床試験のスピード感や費用など今後の海外展開を考えるにあたって参考になった」「直接フィードバックを得ることができ、持ち帰って整理すべき観点を多く得た」という声が寄せられた。また、同席した自治体関係者からも「ヘルスケア分野の企業支援については手探りの部分も多く、大変有意義であった」とコメントがあった。

メドテック・アクチュエーターからは、「過去2年間、日本でプログラムを展開してきたが、地方のエコシステムまでアプローチできていなかった。実際に足を運んだからこそ地方の起業家の話を聞くことができ、今後の事業展開にあたり貴重な機会となった」とのフィードバックが寄せられた。海外企業にとって、日本の地方にどのようなスタートアップが存在し、どのようなエコシステムが形成されているのかという情報は得にくいという現状がうかがえる。こうした中、各地のエコシステムと連携することの利点も含め、情報発信を強化していくことが重要と考えられる。

メドテック・アクチュエーターと自治体関係者との情報交換の様子（ジェトロ撮影）

ジェトロでは、海外展開に挑戦する広島県・圏域のスタートアップを対象に、前年度に引き続き海外展開支援プログラム「Hiroshima Global Connection」を実施している。メドテック・アクチュエーターをはじめとした海外アクセラレーターとの連携も強化し、今後も同地のスタートアップに向けた海外展開支援を展開していく予定だ。

（松元郁実）

（広島、オーストラリア）