米連邦議会下院の中国特別委、2026年末まで継続へ(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月8日 10時50分
米国連邦下院議会は1月3日、「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会(中国特別委)」の継続を含む、第119議会で適用される規則を受諾する決議を採択した。第119議会は同日から開始され、マイク・ジョンソン下院議長(共和党、ルイジアナ州)の選出(2025年1月7日記事参照)後に、決議は採択された。中国特別委の設置は当初、2024年12月31日までと定められていた。
中国特別委は、中国共産党がもたらす脅威に関する合意を形成し、米国市民、経済、価値観を守る行動計画を策定するために超党派で取り組むための委員会で、2023年1月に当時の下院議長のケビン・マッカーシー氏(共和党、カリフォルニア州)の主導の下で設置された(2023年1月12日記事参照)。これまで「中国との経済関係のリセット」などをうたう政策提言の発表(2023年12月15日記事参照)や、米国で事業展開する半導体製造装置企業に対する中国での販売に関する質問状の送付(2024年11月13日記事参照)、中国との恒久的正常貿易関係(PNTR)を撤回する法案の提出(2024年11月18日記事参照)など、活発に活動していた。
今回の決議により、中国特別委は2026年12月31日まで継続される。また、今回の決議で同委の調査権限は「中国共産党による米国および米国の同盟国・パートナー国に対する経済的、技術的、安全保障上、イデオロギー上の脅威に対抗するための政策提言」と定められ、これまでの内容から「イデオロギー上の脅威への対抗」が新たに追加された。
今回の決議採択を受け、同委のジョン・ムーレナー委員長(共和党、ミシガン州)とラジャ・クリシュナムルティ少数党筆頭理事(民主党、イリノイ州)は1月6日、「中国共産党はわれわれの経済や国家安全保障、価値観にとって前例のない脅威であり、われわれは今まさに求められている緊急性をもって、この問題に対処し続けていく」との声明を連名で発表した。共和党と民主党の政治的分断が激しいとされる米国で、同委の活動をはじめとする対中政策は超党派で取り組める数少ない案件となっている。ただし、トランプ次期政権はバイデン政権よりも強硬な対中姿勢を示していることから、第119議会でこれまでと同様に、対中政策を巡って超党派の合意が継続されるかを疑問視する指摘もある(米国通商専門誌「インサイドUSトレード」1月2日)。
(赤平大寿)
(米国、中国)
外部リンク
- 米調査会社、2025年10大リスク発表、日本のリスクは関税と米・メキシコ関係悪化(日本、米国、メキシコ)
- ブリンケン米国務長官、石破首相らと会談、日本企業の対米投資の重要性確認(日本、米国)
- トランプ次期政権の移民・経済政策に期待するも国内の分断修復は期待せず、米世論調査(米国)
- 新興EVメーカーのNIOが「NIO day 2024」を開催、幅広い価格帯のモデルを発表(中国)
- 米商務省、ドローン向け情報通信技術・サービスサプライチェーン保護規則制定に向けパブコメ募集(中国、米国)
- 在米企業の実質的所有者情報の報告義務が再度差し止め(米国)
- 大連で水素を用いた船舶燃料の給油基地を着工、中国最大級に(中国)
- シンガポールと中国のFTA、新議定書が発効(シンガポール、中国)
- 米商務省、国立半導体技術センター3つ目の旗艦施設をアリゾナ州に設立へ(米国)
- 米連邦議会第119会期始まる、ジョンソン下院議長が再選、トランプ氏勝利を認定(米国)
この記事に関連するニュース
-
米調査会社、2025年10大リスク発表、日本のリスクは関税と米・メキシコ関係悪化(米国、日本、メキシコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月8日 11時30分
-
米商務省、ドローン向け情報通信技術・サービスサプライチェーン保護規則制定に向けパブコメ募集(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月7日 16時30分
-
米連邦議会第119会期始まる、ジョンソン下院議長が再選、トランプ氏勝利を認定(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月7日 11時25分
-
米下院中国特別委員会、新議会も継続へ 超党派の対抗姿勢映す
ロイター / 2025年1月7日 8時9分
-
トランプ米次期大統領とバンス次期副大統領、つなぎ予算法案に反対表明(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月19日 11時50分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください