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山東省東営市初の日中高齢者介護サービス投資意向書に署名(中国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月3日 15時10分

中国山東省の東営市民政局は8月29日、「東営市日中養老サービス協力交流会と東営市養老センター除幕式」を同市内で開催した。除幕式では、日本の医療法人原会(群馬県伊勢崎市)とグローバル人材マッチングプラットフォームを運営するzero&one(ゼロアンドワン、東京都新宿区)が中国の医療・健康産業に特化した専門会社の東営寧康健康産業と投資意向書(LOI)に署名した。3者は共同出資による東営市初の外資系医療・健康産業会社を設立し、日本の最先端の自立支援型高齢者サービス方式を採用した高齢者コミュニティーへのケアと、在宅高齢者ケア支援サービスを東営市養老センターで展開することを目指す。

中国国務院弁公庁が2019年4月16日に「国務院弁公庁による高齢者介護サービス発展推進に関する意見」(国弁発[2019]5号)を公布し、外資系高齢者介護サービス機関に対する内国民待遇を全面実施していた。

交流会では、東営市の王秀鳳副市長、青島日本総領事館の斎藤憲二総領事、ジェトロ青島事務所の吉川明伸首席代表があいさつした後、同市民政局の張鋒局長が市の高齢者介護産業の現状と行政の支援策について解説した。また、原会グループの井上恵美子高齢者施設・施設長は原会グループが運営する高齢者施設の概要、日本の介護制度やケア方針について説明した。

署名前のあいさつで、東営寧康健康産業の王永健総経理は「東営市養老センターは、市が建設した総建築面積1万8,000平方メートル、ベッド数380床の公設民営の普恵型(注)高齢者介護施設で、2024年6月に東営寧康健康産業が管理運営業務を受託した。本日、正式にオープンするとともに、日本の原会グループと高齢者介護の緊密な協力関係を構築し、日本の管理、サービス、人材育成技術を導入し、東営市の高齢者介護サービス業界の質を高め、新たな発展段階と導く」と、これまでの経緯について述べた。

原会の原和隆副理事長は「東営寧康健康産業が東営市から受託した東営市養老センターの運営に協力する機会をもらい感謝する。中国の地域社会の皆さまに寄り添い、安心して生活できる環境づくりに貢献することを約束する」と意気込みを示した。

zero&oneの謝継香社長は「2020年7月に東営市の支援の下、東営市の介護企業と交流を深め、東営寧康健康産業と事業協力の意向に合意に達した。その後、原会もわれわれの事業協力への参加に同意してもらった。本日、3者共同で合弁会社を創立する。同時に、われわれはさらに多くの介護専門人材を育成し、高齢者に最良のサービスを提供する」と人材育成にも注力するとコメントした。

山東省は2023年12月30日に「山東省における質の高い高齢者介護サービスの発展に向けた3カ年行動計画(2024~2026年)」(鲁政弁字〔2023〕207号)を策定し、2024年末までに普恵型養老機関認定管理弁法を制定する計画だ。今後の山東省の高齢者介護サービス産業の動向が注目される。

写真 投資意向書に署名する、左から王永健総経理、原和隆副理事長、謝継香社長(ジェトロ撮影)

投資意向書に署名する、左から王永健総経理、原和隆副理事長、謝継香社長(ジェトロ撮影)

写真 東営市養老センターの入居者(ジェトロ撮影)

東営市養老センターの入居者(ジェトロ撮影)

(注)誰もが普遍的に利用可能な価格帯で品質が保障できるタイプのサービスを指す。

(皆川幸夫)

(中国、日本)

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